2026年9月16日水曜日

スズメバチの生態

 9/6 10-12時雨天 浦和で「大人の科学」講義を受けたスズメバチが中心の講座
さらに下記を参考にしたものである
・絵本『すずめばち』舘野鴻 2025(福音館書店)
・『スズメバチ』中村雅雄 2012(八坂書房)

◆スズメバチの雌雄
これは集団(コロニー)生活のスズメバチ、ミツバチ、アリ、シロアリの共通点
雌のハチ:産卵管が毒針で刺す。4~8月は100%雌だけ
 ・女王バチ:受精した雌。9月〜10月頃に数十匹から数百匹生まれる
 ・働きバチ:受精していない雌。4~10月に成虫になり寿命は平均1ケ月
雄のハチ:無受精卵から生まれ、刺さない。寿命は2-3ケ月
     9~10月の繁殖期に初めてオスが生まれ、割合は全体の10%未満。 
◆エサ
成虫: 働きバチは体が細くくびれているため固形物をそのまま飲み込めない 
    <樹液、花粉、花の蜜、熟した果実 、幼虫が口からだす栄養価の高い分泌液>
   女王バチは幼虫の分泌物、昆虫
幼虫:働きバチが餌物を大アゴで噛み砕き、作った肉団子
    獲物は<ハエ、アブ、セミ、バッタ、ハチ、クモ・・・>
         ミツバチの巣を襲い幼虫を餌とすることもある

◆スズメバチの一生
・春(4〜5月頃)女王バチ巣作り
 冬を越した女王バチが目覚め、単独で巣作りと産卵を始める
・夏(7〜8月頃)数百匹に
 最初の雌の働きバチが羽化すると、女王は産卵だけに専念。
巣の規模が数十〜数百匹規模に急激に拡大する。
・秋(9〜10月頃)危険な時期  繁殖期で巣の規模は最大に
 新しい女王バチや雄バチが生まれ、巣を離れ、
多くのオスと交尾し精子を貯精嚢(ちょせいのう)に保存する。
その後、働きバチや旧女王、オスは冬を越せず死に絶える。
・冬(11月~3月)新女王バチの越冬
交尾を終えた新女王バチは、朽木の下などで越冬する

◆女王バチの巣作り
①越冬からの目覚め 四月
新女王は越冬から目覚め、口吻や脚を使い身繕いをし、約2週間、樹液、花蜜で炭水化物を摂取し体力回復を図ります。
②営巣場所探し 
1日に50kmも移動し、営巣場所は回りを何度も飛び回って決めます。
・オオスズメバチは、山林や土の中、木の根元などの地中。
・キイロスズメバチは、初期は天井裏や床下などの閉鎖空間、その後、引越し、軒下や樹上などの開放空間へ移動して巨大な巣を作る
③巣材 枯れ木を削りだ液と混ぜボールにし巣へ運ぶ 
④支柱:巣の中心の棒状などに巣材を塗り棒状の支柱を下げる    
⑤外被:外側の球形
外側は巣材を塗り重ねて厚くなるが、内側では外被を削り育房を作る
⑥育房:六角形の筒
子どもが育つ部屋で、下向きに作る。初めは三室くらい作り産卵を始める。
 三室の外側に育房を増やしていきます。餌の保存庫にもなる。
⑦巣盤:皿状の育房の集まり
この育房が平らに並び皿状の巣盤ができ、巣盤は上から下へ順に重なるように作られ多層構造になる。巣盤は複数の支柱で繋がり、外皮とも固定される。
⑧スズメバチの巣:常に30℃育児最適
・スズメバチの巣は、数段の巣盤を数センチの厚い外被で覆う。
・出入り口は2,3センチの穴だけ。
・外気に影響されず常に30度以上の温度を維持する。

2026年9月12日土曜日

両親の介護記録

両親の介護記録   2026年9月7日 大木享 記

1958年生れ神奈川県在住で、独身の大木享氏(仮名)の老老介護の記録です。

◆両親が要介護で私が家事専任

 両親共に年齢からくる衰え等で、要介護認定をうけ、ケアマネージャーと相談し、デイサービスの利用を始めました。両親ともに食事・下の世話が不要だったので、私は家事専業とデイサービスの送迎等です。母はこの期間に2018年85歳で認知症の診断を受けました。

 ◆父は逝き、母は骨折で施設を転々

  2022年父が89歳亡くなり、母が股関節骨折で歩行困難になりました。急性期病院で手術を受け経過もよく、リハビリ中心へ移行。急性期病院はリハビリ中心に対応しないので転院しリハビリに専念。しかし、効果が薄く三ケ月で退院。介護老人保健施設(老健)に入居しリハビリに専念も、入居期限制限があり退去する。

 ◆2024年「自宅介護」か「特別養護老人ホーム(特養)」の選択に悩む

 母の実家の兄弟は施設入居を勧め、「自宅介護はやめなさい」との意見。ニュースで「夫が妻を長年介護していたが、妻を車椅子ごと海に落とした」を見て、‘明日のわが身’かと考えさせられ、特養入居を決断。このニュースは、介護疲れでは無く、長年自宅介護をしてきたが、亭主の体力的な衰えもあり、奥さんのみ施設入居の話が進んでいて、離れて暮らすなら一緒に死を選ぼうとした。との話もありました。

 ◆特別養護老人ホーム(特養)探し

 2025年費用等を考慮し、特養を選択しました。基本的には、終の棲家になるので、市内の特養の全12施設を見学。3施設は色々な観点から除外、1施設は近所の情報通に聞いて除外。

入居施設決定要件は、外出・面会が制限なし。曜日や時間制限があると、面会者の日程調整が必要になるためです。これが一番の理由です。この特養は入居者本人の体調に合わせて。食事時間等を調整してくれ、決まったタイムスケジュールを強制しないからです。おまけですが、施設近辺の商店も案外重要です。単なる近隣散歩より、商店は本人の刺激になります。

特養入所時に母の住民票を特養住所に変更するよう依頼がありました。役所等からの文書は特養に送付され、必要に応じて私の自宅に転送されます。介護保険証等は特養では保管しコピーを送付してくれます。

 ◆母の認知症で困ったこと
・息子を忘れる。息子はどうも中学生位と思っているフシがあり、「享だよ」と言うと、「大きく成ったなぁ」、「勉強頑張れ」などと言います。 
母は2026年3月要介護5の認定をうけました。
・最近の物価高騰対策給付金の申請で、様々な資料が必要でした。これ自治体で違うかもしれません。
 HPからダウンロードした「申請書を私宅宛て送付する願い届」と必要書類を添付し、市役所に送付すると、その後、市役所から「物価対策の申請書」が、私宅に送付されます。申請書の送付依頼に必要な書類です。

―申請書類に本人サインが必要ですが、母は文字を書けないので、
認知症の場合の代理申請では市役所に電話が必要です。
-代理申請者の確認後に申請書類の送付では・・・代理の理由書類
-施設入居なら・・・・・・・・・・・・・・・・入居費用の請求書等
-息子なら・・・・・・・・・・・・・・・・・・親子関係の分かる戸籍謄本、息子本人を証明する免許証

2026年8月23日日曜日

夫婦の介護記録

夫婦の介護記録   2025.8.7 内村一郎(仮名) 
 内村一郎さんが妻優子さんを介護した記録です 
 ◆プロローグ 
    優子は2024年秋口に腰が痛いと言っていた。一郎はギックリ腰だから湿布と整形外科に診てもらったらと話していた。
・ 12月10日に A整形でレントゲンをとると15年前の写真と殆ど変化なしとのことであった。 前後は近くの指圧に数回通った。今からすると既にこのあたりで癌の転移が腰骨に始まっていたのでは???

・年末を大阪・池田市娘の家で過ごす
 ・12月27日 年末を大阪・池田に住む子供夫婦と過ごす予定で、新幹線で大阪着、大阪駅から阪急宝塚線に行く途中、優子が転倒し右肩脱臼。痛いのを我慢し電車で池田へ 池田市民病院で急遽診てもらい処置と痛み止めをし、娘の家へ。 
・ 1月3日近くの呉服神社、4日は美濃の大滝へ観光する 。

・横浜の自宅 圧迫骨折が分かる
・1月5日JAL-112で伊丹から横浜へ帰る。
・1月6,14,28日と3回A整形にかかる。コンサートや、あるいは1月27日母親の7周忌で福岡へ帰るなど、痛みはあったようだが、普通の生活。
 ・ 3月7日右肩脱臼でのリハビリなどA整形医院で、再度、骨密度測定もかねてレントゲンを撮り、ここで背骨に圧迫骨折があることがわかりロキソニンと簡易コルセット。癌の転移の可能性などいわれなかった。
・ 3月10日1年前に手術した白内障の経過診察でSD病院にいき、眼科先生に腰痛みの話から直ちにその病院でMRI診断を勧められ、その結果、癌の転移による圧迫骨折とわかる。 痛みもそれほどでなかったので、予定していた大阪・池田の娘のお産の手伝いに行くことを決意。 SD医院から池田市民病院整形へはデータ紹介を依頼した。

 ◆闘病生活―1 3月15日~4月9日 大阪のウイクリー・マンション
・3月15日JALで大阪のウイクリー・マンションへ。
・ 16,17日近所の梅林など観光 
・18日には痛みがだんだんひどくなり、ロキソニンは2時間に1回飲むほどに痛みが増加。
・20日未明 右腰大腿部付近の激痛となり救急車で池田市民病院へ。ロキソニンからトラムセットに代わり少しは痛みがおさまる。
・21日の予約日に池田市民病院整形を訪問し、癌性骨折とのことより整形から総合内科へ移り、またコルセットの採寸、装着。毎日 癌の発生場所検査。胃、大腸、子宮、乳房、甲状腺、血液、エコー検査、骨折場所の1泊2日の生検手術入院も実施。 結果は原発不明癌との診断が下る。
・26日に友人のDr.IH医師に経緯をTELする。

  【一郎の反省】毎日痛い思いをさせてタクシーで通院したが検査入院をさせるべきだった。
・ウイクリー・マンションは1Kで優子はベッドに、私は床に布団を敷いて。また優子はほとんど寝たきりで3食を食べさせ、食事は私が作り、食べさせるも起きると痛みが出て、一口食べるとすぐに横に寝るありさまでした。
・シャワーはパンツの取り換え、体をこする拭くなど赤ん坊になった。
・洗濯、買い物など休まる暇もない毎日でした。
・ 3月15日から帰る4月9日までは優子につらい目に合わせた。 孫がいつ生まれるかと痛みの我慢比べをした。

・4月6日に待望の男子が生まれ、産院で孫を抱くことができた。
・9日JALで何とか横浜へ帰る。 羽田からは介護タクシーで完全FLATの車いす利用。
・ 前後して友人Dr.IH医師に有明がんセンター、神奈川がんセンターなどの入院先相談。結果的に家から近い神奈川がんセンターに決め dataを池田市民病院から送付願った。 又息子には2階のベッドを1階に降ろすよう依頼 

 ◆闘病生活―2  4月11日~ 横浜自宅
 ここから横浜での闘病生活が始まる 。
・4月11日 神奈川がんセンターへ今後の入院などで訪問。血液腫瘍内科、緩和ケア内科、放射線科などの先生と面談。池田病院からのdataで、内容は分かっており、すぐにでも放射線照射を勧められた。
・ 15日からの入院となる。 往復とも介護タクシーで完全flatの車いす。以後移動はすべて介護タクシー。 家では介護保険の申請など、包括ケケアセンターで手続を済ませる。1ケ月後、要介護4となる。介護認定の決定までには、時間がかかるので早めに手続が必要。
・ 14日16時頃 家で転倒、腰と頭を打つ。いろんな病院に診てもらえないかTELするも断られる 落ち着いてきたので明日の癌センター入院まで待機 。
・15日入院 4人部屋になり、すぐに第1回の放射線照射が始まる。全部で5回実施。 鎮痛剤もオキノームの医療麻薬となる 更にはオキシコドンと一段強いものとなる。
・ 21日退院前日Dr.より話があり肝臓と肺にすでに転移がみられるが、原発は不明。
・ 22日退院し 自宅へ 。介護認定はまだだが見なし認定ということで介護ベッドなど搬入手続をすすめる。 それまでは1階のベッドで、夜は手をつないで今後のこと、昔のことなど話ながら眠る。 過呼吸?によるパニックが起こり背中をさするなど・・・・

・ 5月1日 区役所より介護の調査員がくる 
・7日 包括介護センターとケアマネージャー認定などの話、契約をすすめる。 かねて予約していたNB病院での膠原病の一種強皮病の診察と、唾液が出ないなどの診察を受ける。昨年8月ころから唾液が少なく話しづらい現象があり、シェーグレン症候群ではないかとしたが 以前の血液検査ではそんなことは無いと言っていた。 その後の癌センターでの結果はシェーグレン症候群のようであった。特に3月の池田市在中では唾液が出ないため30分ごとに水を飲む有様でした 
・8日未明 痛みとパニックが起こす

・5月 9日急遽がんセンターへ入院
 救急個室へ入院し、退院まで痛みと医療麻薬とのバランスを見ながらの緩和療法。
・ 9日Dr.より今後の治療方針説明あり。即ち痛み止めの医療麻薬のことの調整でQOL(QUOLITY OF LIFE)を改善する方針の説明あり。 抗がん剤、免疫療法はしない 医療麻薬のオキシコドンは5mgから10mgと倍量 10日救急個室から個室病棟へ移る。
・ 11,12日は割に落ち着いていた この日以降 私は万が一の事を考えいくつかのホスピスを調査、訪問を始めた。友人Dr.IHからのも紹介あり。
・ 12日 娘来る 13日 早朝1時頃パニック症状となり以後1時間ごとに起きる。優子より脳活の本、刺繍、折り紙set、食べ物などの依頼あり。 優子の終活を考え預金口座、証券株口座の1本化へ着手。 娘来る。
・ 14日 娘来る ダスキン(介護用品レンタル会社)へ電動ベッド依頼。19日自宅搬入予定
・17日 痛みと医療麻薬のバランスはつかめたこともあり、在宅での緩和療法へ切り替えのため、退院。

・5月18日以降 在宅緩和療法
がんセンターより訪問医師、訪問介護などの紹介あり、在宅医療センター(みらい在宅クリニック24時間OK)、おはな介護リハビリテーションと連絡を取りながら訪問曜日などを決める ケアマネージャー、医療センター、介護リハビリ、訪問薬局等との契約書にサイン 原則 訪問Dr、訪問介護(主にシャワー入浴手伝い)は週一で24時間体制、訪問リハビリ(マツサージ)は週2回
・23日みらい在宅クリニックよりDr.Y医師が来宅 治療方針の説明。優子は歯磨き時かなりに出血、右わき腹の痛み訴え 医療麻薬、胃腸薬、便秘薬、吐き気止め薬、安定剤、睡眠薬などの飲み薬の調整。更には緊急の備え置き薬として浣腸薬など4種類の薬
・24日Kさんお見舞いで来宅。 20時頃優子息苦しくなりクリニックへTEL、Y医師来宅。 優子以降眠れず、夜が来るのが怖くなる。 1~2時間ごとにトイレに行くので隣で寝ている一郎もその都度目が覚める。夜と昼の睡眠パターンが変わった? 優子の 頻尿は膀胱炎の気配あり。
・25日 娘夫婦、息子来宅 。一緒にパエリアを食す 
・26日 介護タクシーでSD病院眼科、整形外科レントゲンを撮る。あまり骨折部は広がっている様子はないとの事だが? 優子の痛みは継続
・27日 九州よりSさん、Mさんお見舞いで来宅。 この時は2時間ほど椅子に座ることができた ・28日 ダスキンへトイレ、廊下、浴室などに手摺設置依頼 
・29日 Dr.より万一に備え酸素発生装置の指示あり
・30日 介護タクシーで癌センターでの血液検査
・31日 孫の誕生日だが祝ってやれず

・ 6月1日 娘と家の周りを少し歩く Iちゃんの「お通や」で落合葬儀場へ。夕方Kさん風呂で倒れ緊急手術の連絡あり。最悪の一日。
・ 6月2日 自宅車の助手席に何とか座れた。「 医療保険3割は理解するも、要介護4且つ負担割合が1割なのに、介護保険3割は理解できず」とケアマネージャーに調整依頼 、結果、1割負担となる 
・3日 吐き気があり胸が苦しいと訴える Dr来宅
・4日 眼鏡を新調のため介護タクシーで京急デパートトに行く 夕方悪心を訴えDr来宅
・5日 Dr来宅 飲み薬の調整 このころは毎日Dr来宅
・6日以降 だんだんと食欲が減ってきている
・11日 家の周り少し歩く
・13日 「そば鎌倉」へ介護タクシーでいく。少しだけ食べる 
・15日 息子来宅 借りた車椅子で家の周りをまわる
・16日 悪心、吐き気があり食欲なし 
・17日 娘の絵展示会場の聖路加病院へ訪問予定だが、 悪心のためキャンセル 頭がボーとし焦点が定まらず、数行のメールを書くのに30分要す、歩き方はパーキンソン病のような極端なすり足、足が前に出ない
・18日 何とか聖路加病院に介護タクシーで行くことができ優子が喜んでくれた 終了後レストランで、あんみつを、食べる
・ 19日以降 悪心と食欲なしが続く 夜も眠れず
・ 25日 息子来宅 朝、夕方少し外を歩く 
・ 26日AM3時頃自力でトイレに行く途中廊下で倒れ、ひざをすりむく。だんだんと足取りがおかしくなる 。
・27日予約していた訪問理髪さんが来宅、髪を切り少しは快適? 癌センターの担当医師へオプジーボなどの免疫療法をしてもらえないか電話。   回答「センターとしては本人、家族からの依頼があっても、断る 理由としては副作用の併発により死期を早めるようなことは出来ない。万が一の望みはわかるが、当センターに来た時から、どんな手段でも治ることは難しいとの判断であつた。放射線照射が必要な時はいつでも連絡してくれ 」
・ 28~29日 薬のせいか妄想があり、現実と区別がつかなくなる 足の浮腫みがひどくなり、歩きはボトボト、腰の痛み
・ 29日7時半頃トイレに行く途中転倒
・ 30日トイレには自力で行くことは転倒の危険ありポータブルトイレを介護ベッド脇に設置 同時にパンツからおむつへ変更 おむつ、消臭剤など手分けして準備 トイレ、おむつの履き替えなど手助けが必要 子供達も手伝てくれる

・7月1日~2日 食欲がなく食べやすいようにムース食をTRYするも受け付けず。 妄想が毎日のごとくあり。  例えば KKK団で200人殺した、一郎を後ろから打つ、ベートーベンの曲は優子が作ったなどなど 昔の映画 ニュースが混じりあう。 6月末から食事は殆ど受け付けず、食べてもすぐに気分が悪くなり、夜眠れず・・・薬で抑えるなど悪循環となる 氷菓子ガリガリ君を頻繁に食べる 体重は10KG強減少。いっぽう腰の痛みは少し和らぎ医療麻薬の量を減らす。 あまり腰の痛みを言わなくなる。 皮肉にも今頃放射線照射の効果がでてきたのか 優子にはホスピスの話を持ち出すも 家にいたい・・・
・ 3日 子供達3人がかりで車いすにのせ外に出る これが最後の外に出ることになった 夜 外で子供たちが花火をして優子を楽しませる 6月初旬頃から一郎寝つきが悪くなり、安定剤と睡眠薬服用 。体重もどんどん減り65kgが58kgに減り胃痛、軟便下痢も起こる。限界を感じるようになる。 買い物,洗濯、掃除、料理、介護、交渉事、などなど食べる暇もない日々でした。 ホスピスからの連絡;以前から空きがあれば連絡を依頼していたホスピスの一つから7月9日には空きが出ると連絡がある。すぐに入室する旨の連絡する 
・ 5日10時頃 ベッドから降りる際転倒、Nさんに助けを頼む。大阪より娘一郎婦が来る 弟家族見舞いに来る 6日私の様子を心配し、息子が家に一泊してくれる Drが私の状況をみてレスパイト入院を勧め。手配を地域包括ケアー病院へしてくれ、病院側からもOKの返事あり。 
*レスパイト入院;介護家族の負担が多く、これ以上は無理となった場合 、介護家族を守るためにホスピスに入れるまでの間、一時的に入院させるシステム。 私感;これ以上私の負担が続くと、精神的、肉体的完全にばてたであろう。こちらが先に他界するような恐れがあつた 
・ 7日介護タクシーで地域包括ケアー病院へ入院 この頃から足の浮腫みがひどくなり体液が脛からにじみ出る
・8日弟が九州から見舞いに来てくれた

◆ホスピスでの日々 
・7月 9日KDホスピスへ移動 。入室に必要なものを子供たちが手配(冷蔵庫,TVなどなど) Drと今後の方針説明 食欲改善のためステロイド使用との事
・ 10日 ベッドのまま特殊入浴 優子半年ぶりに浴槽につかる。それまではシャワー だんだんと浮腫みがひどくなり大腿部、腰部と広がる また体液の滲みも広がる。Drより利尿剤を。ただ癌がリンパ節に広がりリンパの戻りを阻害している可能性もあるので利尿剤の効果は? 夜中 LINEでうどんが出来たので早く食べに来なさいと妄想が起こる 
・ 20日夜のみ、おしめ 
・ 21日には導尿が始まる ホスピスへ入室後多くの方のお見舞いをいただいた
・ 22日 葬儀の件でメモリアルホールに見積もり依頼
・ 23日 散髪 すっきりした髪型となった
・ 24日 娘が大阪から日帰りで来る。最後の面会となる
・ 25日 夕食を一緒に食べる 優子が好きな鯛の刺身を食べさせる。おいしいと言って喜んでくれた 最後の食事となる。いつもとあまり変わらない様子なので20時には一郎家に戻る。 明日朝来るよと挨拶して 最後の言葉となった 

7月26日13時40分 優子逝く
・ 26日 9時頃来ると看護師から血圧が70台、意識がない、呼吸も顎呼吸 。あまり先がないと伝えられる。 子供に電話しお母さんが危篤 すぐ来るように連絡する
・ 10時頃から優子の手を握り話しかける。何かわかったように手を握り返す? 娘が間に合い二人して優子に話しかける。
・ 13時過ぎには息がまどうくなり心臓の鼓動も小さくなる 
・ 13時40分頃に眠るがごとく亡くなる 苦しみもないきれいなお顔であった「 お母さん長い間ありがとう」。   Drによる検視、 直ちに遺体を自宅に引き取り 。帰りたかった家に安置する ・27日まで安置、28日には葬儀社の霊安室へ移し
・30日通夜、31日葬儀、火葬  

 ◆私の反省点
 闘病生活―1 
 ・ぎっくり腰と軽く考えず 総合病院でMRIなどでの検査が必要。違った対応があつたかも 
 ・池田市立病院へのタクシー通院は痛かったと思う。介護タクシー利用を考えるべきだった ・検査入院を頼むべきだった 健康な状態での入室を考えたウイクリー・マンションであつた為、病人対象でなく設備良くなく、もう少し良いところに代わるべきだった 

 闘病生活―2 
 ・がんセンターは癌のみしか相手にせず、優子のシェーグレン症候群については他の病院に診てもらえ・・・総合病院なら対応科があるので診てもらえる? 病院選択に問題なかったか?癌、即、がんセンターは一考すべき
 ・在宅介護は介護家族が多くいれば出来るかと思うが、子供が手伝うとしても、優子と二人では長期の介護は限界 癌センター退院時に言われた在宅での緩和、またはホスピスでの緩和、どちらを選ぶかと言われた時、 躊躇なく在宅を選んだが本当に良かったのだろうか。 優子の気持ちを考えるとホスピスに行きたくないのは判るが、もし私が倒れたらどうなるかを考えると恐ろしい。 
 
・ホスピスはお金もかかるが、食事 トイレなどは専門職なので任せられる。長期に在宅でいると別れづらく 結局 共倒れになる可能性が大。治る病気なら希望も持てるが、不治の病なら心を鬼にしてホスピスを選択すべき・・・本当にそうやれるかは? 私には出来ないが。
 ・ホスピスは現在空きが少なく 7人待ちとか、2ケ月待ちとか 。幾つかのホスピスとあたりをつけておくことが必要。躊躇なく入所を 決るべき タイミングを失すると共倒れの危険あり。 

・介護保険申請には時間がかかる 最低1ケ月以上 諦めるのでなく みなしで強引でも進めるべき ケアマネージャーに能力が無ければどんどん改善、あるいは交代を言うべき 
 ・ポータブルトイレ設置は躊躇するが 実際には患者も楽、おしめも快適?消臭剤も良く効くので臭いは殆どしない 子供達も嫌がらず協力してくれた。
・癌は全てかもしれないが、なかでも腰骨に転移した癌は大変。患者は殆ど寝たきり。介護する方も大変 長期には真綿で首を絞めるように全てを破壊してくる。 
 
・終活は、最後の事を考えて早めに。例えば 銀行口座、証券口座、クレカ支払、葬儀社 仏壇、お墓など 一本化しておくことが重要 電話の応対ができる。元気があるうちに 。
 ・あとの私の生活はどうするかは、先ずは3食しつかり食べ 心と体力を元に戻す事から始めます。安否確認の為、監視カメラで子供たちが守ってくれています。 備考 妄想が起きるのは薬の性もあるかもしれないが、 肝臓、腎臓などでの解毒が悪くなり 毒素が脳に行き妄想を引き起こす?とも言われている 末期が近い事の前兆?      
                                 以上

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 夫妻と大学友人Dr.IHの情報交換記録  2025.3.26~7.26

 **夫妻との電話メールの情報交換**   記 Dr. IH 
 ・2025.3.26 (水)優子さんのメール 「ごぶさたしています。ご相談したいことがありまして、お電話したいのですが、何時ごろがいいでしょうか? 」とメールをいただいたのは、今年3月26日(水) でした。電話の内容は、「娘が出産するので、その手伝いに一郎婦で大阪池田市に来て、ウイクリー・マンションを借りて滞在している。腰が痛むので病院で診て貰ったら圧迫骨折で、その原因ががんの転移らしい」ということでした。
  内容に驚きましたが、「がんの転移であれば(腰痛で移動が困難になる可能性があるので)、受診した病院に紹介状を書いて貰って、できるだけ早く横浜に戻って治療を受け、療養されたがよい」旨伝えました。

・ 2025/3/31 (月) 18:41優子さんのメール  まだ池田にいます。娘もまだ出産にいたりません。 (そろそろですが) 。乳腺外科、胃、大腸内視鏡は検査しましたが、これは大丈夫なようです。子宮のMRI.甲状腺のエコーをみましたが、結果は明後日に。明日は椎体L1の生検のため、入院します(1泊) 。原発はまだ不明ですが、こちらにいる1週間の間にできるだけ検査して、横浜に戻ろうかと思っています。  神奈川のがんセンターか(こちらの方が近いです)、築地の中央がんセンターに紹介状を書いてもらうつもりです。どちらにかかったほうがいいですか? 今日は骨折をカバーするためのコルセットが出来上がってつけ始めました。

・ 3/31 (月) 20:07 自分  現在のところは原発不明がん。 近くの方がよいと判断し、Webで情報を検索し、神奈川県立センターをお勧めしました

・ 4/2(水) 19:56 優子さん  昨日、背骨のL1の生検をしました。結果は、1〜2週間かかるそうです。胃カメラ、大腸、子宮、卵巣、乳腺外科 、甲状腺は問題ないということでした。神奈川県がんセンターに、データ付き紹介状を書いてもらいました。 9日に池田市民病院の、説明を受け、10日に横浜にもどり、11日にがんセンターに予約しました。 末娘の出産はまだですが、私のほうの診察、治療を考えて、帰ることにしました。

・ 4/13(日)一郎さんメール  昨年秋口から腰が痛く、本人はぎっくり腰と思いマッサージに通っていましたが一向に良くならず、3月中旬に整形外科でMRI、レントゲンを撮ると、椎体L1が圧迫骨折、しかも右pedicle(椎弓根)不整とのことでした。その後、娘のお産の関係で3月15日~4月10日まで大阪池田市在となりましたが、その間痛みもひどく、池田市民病院で痛み止め、癌原発巣を探す検査(血液、尿検査、甲状腺、乳腺、子宮、造影剤CT、胃及び腸の内視鏡検査、L1部の生検(現在検査中)をやりましたが、はっきりした場所が分からず原発不明癌との診断です。 3月15日から17日までは少しの痛みはありましたが、6千歩程度は歩けていましたが、18日より痛みが酷く歩けず寝付きました。それまでの薬はロキソニンでしたが酷い時には2時間間隔になりました。20日には救急車で池田病院に行きトラセット配合錠追加。

・ 4/19(土) 17:33 優子さん 原発はまだわからないそうです。 生検の結果がまだ、でてないそうです。放射線は4回目が終わりあと1回です。痛みはかわらず、効果がでているようには感じません。1,2週間〜1ヶ月しないと、と言われました。 痛み止めはトラムセットはやめてオキシコドン2回に。習慣性はないといわれましたが。オキシノームはよく効くようなので、痛いときに出すと言われました。仰向きにしか痛みがとれないので、ずーと、寝ています。困ったことです。

・ 4/23(水) 16:01 優子さん <Re: 放射線照射が終わりました。>  昨日、自宅に戻って来ています。 生検の結果が池田市民病院から来てなく、がんセンターからも取り寄せて(18日金曜日)調べているがまだ結果が出てないということです。 5月8日に診察予約ですが、それまでは痛み止め(オキシコドン5mg×2,カロナール、プレガバリン、オキノーム)、安定剤(ロゼレム)、過呼吸(ワイパックス)で対応するしかなさそうです。放射線では1、2 週間〜1ヶ月位しないと軽減しないとか。 ちょっとがっかりですが、期待して待ちます。 肺と肝臓に、ポツポツとあるそうです。 まだ、原発は不明の状況です。

・ 5/4(日)19:01 優子さん  がんセンターからの連絡がこないので、まだ、生検の結果が出てないのでしょうか。 次の診察が5月9日になっていますので、待っている状態です。 すこし放射線照射の効果か?、痛み止めの使い方も、できるようになってきたのか、30分ほどすわってごはんをたべたり、物をかいたりしています。 時々イライラして、一郎を困らせています。7日に南部病院に喉の渇きなどをみてもらってきます。 夜時々、過呼吸になったりするので、ロゼレム(8mg).ワイパックス(0.5mg)を飲んでいます。 精神的にイラついて来て落着ききません。連休あけまでしかたがないですね。 こんな状態です。

・ 5/10(土)12:08 一郎さん  <優子の今後のケア方針> 包括センター主任ケアマネージャー,SOMPOケアー 5月8日16時頃急な痛みと(今までにない腹部の痛みも伴う)、パニックがおこり 急遽ガンセンターへ入院した。もともと9日が診察日で予約していたが。 5月9日16時より神奈川県がんセンター 血液腫瘍内科医、看護師1 名と今後の治療方針について説明があった 。

 医師からの説明; 
  1)大阪市民池田病院で腰椎L1部を生検した組織検査の結果、「癌」であることは確認できたがどこを原発としているかは確かではない 。甲状腺、乳房、子宮、胃、大腸等MRI、エコー、造影剤いりCT等で検査しているが特定はできていない。すべてのdataは引継ぎできている。更に調べるには 例えばPET-CT、がん遺伝子パネル等が考えられるが 調べても意味があるとは思えない。L1骨転移以外に肺にも点々と、肝臓にははっきりと転移が有る 。したがって、名前としては原発不明癌となる 

  2)今後の治療方針についての説明  昨夕(8日)で治療方針の検討会をおこなった。今後は抗がん剤投与、オプジーボなどの免疫療法はやらず鎮痛剤投与を積極的におこないQOL改善を中心におこなう 。免疫療法含めての抗ガン剤投与は、経験、他例から、現状の体力を考えるとむしろ寿命を縮める恐れが大。免疫療法もそれなりにショック死などのリスクを伴う。
    4月15日から5回おこなったL1部への放射線照射の効果を見ることで、鎮痛剤投与が現状のままとなっていたが、今日から鎮痛剤を増やしていく。
・4月18日よりオキノームからオキシコドン5mgを2回/日だったが、今日からオキシコドン10mgを2回/日とし、痛みの状況を見ていく  過呼吸(パニック)症状は安定剤(現在はワイパックス0.5)頓服として服用、症状をみながら変更もありえる。鎮痛剤服用の様子を見ながら退院の時期を決める。  緩和センターで精神的ケアー等聞きたいので緩和センターにお願いしたい 

   3)更なる今後の見据え  在宅治療希望であれば、訪問医療者(医療保険使用)を入れ、定期、不定期に体調と鎮痛剤の状況をモニターし通院含めてがんセンターとの連携(訪問歯科は確保している)。最終的には家族の疲労等を考えればホスピスに入院していくことになるのでは 

  4)介護保険の件  現在申請中だが介護保険で主治医の許可がいるのに、訪問看護、訪問リハビリがあるがDr.の了解を頂いた。  又、訪問医療者紹介は直接にはできないが 相談窓口での要相談、さっき台診療所先生にも相談してみる。
 
 5)シェーグレン症候群の件   昨年夏以降、口の渇きが酷いとの状態があり、がんセンターで調べてみた。今年5月4日南部病院で見てもらったが 2017年dataしかなく人口唾液スプレイで様子を見ることとなった。 

 6)コルセット  現在のコルセットは窮屈ですぐにずり上がる。作りなおしなどはがんセンターで出来ない。SD病院に依頼してみる 

7)家族としてやること 訪問医療従者を探し依頼する事 在宅介護の体制作り 介護ベッド、手すりなど 介護保険で依頼する事、実務のルーチン化(SOMPOケアーとの連携) 終末期に向けての病院、ホスピスなどを探す事 各種整理など

 ・5/10(土) 18:10自分 「自宅でのケアが難しいようでしたら、ホスピスの利用も積極的に考えてよいかと思います。ご自宅周辺にはホスピスはたくさんあるようです」、とご自宅周辺のホスピス情報を紹介。

・ 6/8(日) 8:20 一郎さん  ご無沙汰していまがその後の優子の状況です 。 5月17日がんセンター退院後自宅で緩和治療中です。みらい在宅医療から24時間帯体制でDr派遣、あるいは介護保険で看護師、リハビリをしていただいています 。介護保険は要介護4となりました。  調子がいい日はフラット型の車椅子で近くのデパート行ったり、杖をついて家の周りをすこしあるいたりできるのですが、ここ3日ほど急に食欲が落ちてきました。健康な時10とすると、入院中6~8、自宅の戻った時5~6、今は1~2の感覚です。 以前は食後に吐き気、ムカムカ感、痛みが強かったのですが食道炎薬、オキノームで調整できています。昨日からみぞおち部に強烈な痛みがあり、少しでも動く、さわるとみぞおち部に錐が刺さるような激痛がありました 。意識、記憶はしっかりしています。  段々と私だけでは手に負えなくなりました、意識と、そこ、そこの体力があるだけにホスピス入院をすすめるのがつらいです 

・7/12(土) 14:05  一郎さん  家内は7月9日からファミリーホスピス港南台ハウスに入所しました。放射線照射の効果が今頃効いているのか、あまり痛がりません 。 足の浮腫みがひどくリンパ液が染み出しています 。今後は段々とみとりに近づくのでしょうが、安らかであつてと願っています  14日には堀江、斎藤さんらが来てくれます。

・ 7/17(木) 6:41 一郎さん  ホスピスに入所してから1週間が経ちましたが、まだ慣れていないようですが、 薬を変えるなどして、少しは落ち着いて きているようです。ただ足の浮腫みが太もも、臀部と広がり、すねぶからはリンパ液が僅かですが染み出しており、感染防止でクリーム、カバーで覆っています。手など上半身は正常です? 医者は可能性の一つとしてリンパ節にも転移があり? 液の流れを阻害している事も考えられると言っています 。2日前から利尿剤を飲み様子を見ています 腰の痛みが無いのが救いです。放射線照射の効果? 凡血会の皆さんからはお見舞いの葉書や電話をいただいており、感謝しています

 ・7/22(火)19:27 HS氏メール<優子さんの様子> 7月16日にSMさんと女子大同期の方と見舞いました。写真の通り、優子さんは元気でした。事前に調整していたNZ恵子さんとLineのビデオ通話をしました。 恵子「優子姐さん 白髪が少ないね」「私はもう・・・・・」、優子さんも声量のある声で4-5分の楽しい会話。 皆さん、優子さんは12時食事、14時お風呂なので、SMSで連絡しての通話がお勧めです。

・7/26(土) 14:30 一郎さん 優子が1時間程前に息を引き取りました。
              安らかでした 一郎 
                                  
                                       以上

2026年8月20日木曜日

介護シリーズ 著者・目次

田中健二「介護シリーズ」について
大学の先輩がメールで教えてくれた内容を、本人の了解を得て転載しています。
60歳、65歳、70歳と高齢化が進みますが、そのような方に時々見て欲しい内容が詰まっています。

◆著者 田中健二のプロフィール 
・ 連絡先メール:tanakakenji48@docomo.ne.jp

・ 私が介護職員として勤務することになった最大の理由は、サラリーマン時代に、後輩の40歳〜50歳代の中堅幹部何人かが、親の介護の為に会社を辞めざるを得なくなったことを目の当たりにしたからです。会社は勿論、本人にとっても非常にマイナスなことであり、何とかならないものかと強く感じ、何かヒントを探るべく介護の現場を体験して見ようとしたのがきっかけです。
・経歴
1942年生れ 鹿児島市出身 九州大学経済学部卒
1964年大手商社入社
2002年60歳退職。その後、80歳迄の20年間は九州のステンレス業界の事務局長を務める
2022年80歳から生涯現役を目指して次のステップを模索
2024年10月介護職員初任者研修課程終了(旧ホームヘルパー2級に+認知症対応)半年掛けて取得し、
  82歳介護職員としてスタート
2026年 住宅型有料老人ホームで、5大介護(①食事、②トイレ、③入浴、④移動、⑤整容〈更衣、歯磨き等〉)の内、③入浴以外の介助を担当

◆目次  クリック→ 介護シリーズ 著者・目次 

頁  No.   タイトル                                   発行日
クリック→介護シリーズNo.01 ~02 加齢・老化・自立と日常
01 No.01 加齢と老化、日常生活の変化、フレイル予防     20250801
03 No.02 高齢者の自立とQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)20250901

クリック→介護シリーズNo.03 ~07 介護に至る①認知症②脳卒中③転倒/骨折
05 No.03 介護に至る三大要素 ①認知症      20251001
07 No.04 介護に至る三大要素 ②脳卒中      20251101
09 No.05 介護に至る三大要素 ③転倒/骨折      20251201
11 No.06 介護離職(介護休業制度と介護休暇制度 )  20260101
13 No.07 介護相談窓口及び介護保険        20260201

 クリック→介護シリーズNo.08~12 老人ホーム
17 No.08 老人ホーム  高齢者向け施設  全般          20260301
19 No.09 老人ホーム  ①介護付き及び ②住宅型有料老人ホーム   20250401
21 No.10 老人ホーム  ③サービス付高齢者向け住宅&
            シニア向け分譲マンション      20260501
23 No.11 老人ホーム  介護保険施設      ⑤特別養護老人ホーム  20260601                                        ⑥介護老人保健施設、⑦介護医療院 
26 No.12 老人ホーム 他施設やサービス
            ④グループホーム、⑧ケアハウス    20260701

 クリック→介護シリーズNo.13 ~16 まとめ
28 No.13 親が認知症になる前に子どもがやるべきこと       20260801
30 No.14 人生最後に後悔しないために、75歳過ぎてからやるべきこと20260901
未 No.15 自宅介護の限界〜施設入居のタイミング〜        20261001
未 No.16 老人ホームの失敗しない選び方             20261101

介護シリーズ No.01 ―02 加齢・老化・自立と日常

No. 01加齢と老化、日常生活の変化、フレイル予防  

①加齢と老化

皆さんにも経験があると思いますが、身体の違和感があって、診察のため病院に行き、医師から勧められ、高価なCTやMRIの検査をし、大分待たされた挙句、医者の一言「原因は"加齢"です」と・・・人間のからだは、身体的・心理的・社会的変化を伴って年齢を重ねて成長し、老いを経てやがて衰退して死を迎えます。「加齢」とは、⽣まれてから時間の経過とともに年齢を重ねていく過程のことをいいます。

一方、生理的な機能は成長の過程で最大限に機能を発揮する時期にピークを迎え、徐々に低下していきます。これを「老化」と言い、加齢に伴って各臓器の機能やそれらを統合する機能が低下することで、外見上も、体重の減少、姿勢の変化、皮膚のしわなどとなって現れます。「老化」の原因には、遺伝的要因と、環境的要因があり、人間社会では、環境要因からの影響が大きく、個人差が大きい。

加齢に伴う様々な機能低下の老化を「生理的老化」ともいいます。早い遅いはあっても誰にでも起こり、「老化」は病気ではありません。一方、認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症(こつそしょうしょう/⾻が萎縮して、もろくなり、⾻折しやすくなる状態)などは、加齢が重要な危険因⼦となる「加齢関連疾患」です。これらは単なる⽣理的な⽼化とは区別して考える必要があります。

加齢の過程では、人間でも動物でも死亡率が指数関数的に増加します。人間では、30歳以降、だいたい8年ごとに死亡確率が約2倍ずつ増えていきます。80歳では40歳の30倍も死亡しやすいということになります。ただし、90歳以上の超高齢者では一定期間の死亡リスクの増加がゆるやかになることが知られています。


②
老化による日常生活への影響

・ペットボトルのふたが開けられない
・重い物が持てない
・立ったり座ったりするたびに「いたっ」と声をあげる
・正座ができない
・階段の昇り降りがつらい
・取扱説明書などの細かい文字が読めない
・テレビの音量を大きくしている
・シワや白髪が増え、身長が縮んだり、背中が丸くなったり、歩くのが遅くなるなど
目に見える変化ばかりではありません。

身体的には、

・⼼肺機能は徐々に低下し、運動時に息切れを感じやすくなります。また、⾎管の硬化などにより⾎圧が上昇しやすくなります。
・タンが絡みやすくなり、嚥下(えんげ/飲み下すこと)機能の低下で誤嚥(ごえん/飲食物等が食道ではなく気道に入ること➡老人ホームの食事の介助で最大の注意点)が増え、肺炎にかかりやすくなる〈誤嚥性肺炎〉
・免疫機能も加齢に伴って変化し、感染症に対する抵抗⼒が低下するため、感染症にかかりやすくなります。
・⻭の喪失や咀嚼機能の低下により、⾷べられる⾷品が限られたり、栄養バランスが崩れたりします。
・胃や腸の蠕動(ぜんどう:主に消化管に⾒られる、筋⾁の収縮が波のように伝わることで内容物を移動させること)運動が低下して便秘しやすくなる。
・男性では、加齢に伴って前⽴腺肥⼤症が増え、頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿症状がみられることがあります。
・目は老眼が進み細かい文字が苦手になり、白内障などではっきり見えなくなる
・耳も老人性難聴となり、いわゆる耳が「遠く」なる
・眠りも浅くなり、夜中や朝早く目覚める
・筋力の低下により、転びやすくなり骨折が起こりやすくなる
・⾼齢者では⽔分摂取量不⾜に加え⼝渇感が弱くなること、発汗など体温調節機能が低下することにより、熱中症にかかる危険性が⾼くなる・・・等々

このように⽼化はその⼈の⽣活に様々な影響を及ぼします。


③
要介護状態とならないためにフレイル予防

 我が国は超高齢社会に突入し、平均寿命(2024年の平均寿命は男性81.09 歳、⼥性87.13 歳)も年々伸び続けています。しかし、平均寿命が延びることで高齢化も進み、それに伴って病気や怪我をするリスクが高まり、健康寿命(2022 年の健康寿命は男性72.57 歳、⼥性75.45 歳)が短くなるという現象が起きます。
 世界一の長寿国である日本においての課題は、健康寿命をいかに伸ばし、平均寿命(平均84歳)から健康寿命(平均74歳)を差し引いた約10年間(84歳−74歳=10歳)の不健康な状態(入院や要介護状態等)でいる期間をいかに減らすかということが挙げられます。

 フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱しました。

多くの高齢者は健康な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに⼼理・認知、社会的側⾯も含み生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、徐々に要介護状態に陥ります。そのため、要介護状態となる前に適切な介入がなされれば、フレイル状態を早期発見し、対応することで、要介護に至るのを防ぎ、健康寿命を延ばすことができます。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏は、フレイル予防のポイントは「身体活動」「栄養」「社会参加」の三位一体と提言しています。

 加齢に伴い進むフレイルには、筋力低下など身体的な虚弱だけではなく、社会性の虚弱や心の虚弱も大きく影響し、サルコペニアという筋肉の衰えを予防するには栄養管理が重要となります。フレイル予防に注力し、健康寿命を延ばし、介護の必要のない高齢者の自由な自立を目指したいものですね!


 

No. 02「高齢者の自立とQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)」

○1991年に国連で制定された「高齢者のための国連五原則」の概要

 表1の「国連5原則」で、高齢者になっても人間としての尊厳をもって、自分らしい人生を全うできるように
との願いが込められていることは理解できると思います。

表1 高齢者のための国連五原則 概要

項目

説明

①自立

independence

・高齢者は、収入や家族・共同体の支援及び自助努力を通じて十分な食料、水、住居、衣服、医療へのアクセス を得るべきである
・高齢者は、仕事、あるいは他の収入手段を得る機会を有するべきである

・高齢者は、可能な限り長く自宅に住むことができるべきである

②参加

participation

・高齢者は、社会の一員として、自己に直接影響を及ぼすような政策の決定に積極的に参加し、若年世代と自己 の経験と知識を分かち合うべきである
・高齢者は、自己の趣味と能力に合致したボランティアとして共同体へ奉仕する機会を求めることができるべき である

③ケア

care

・高齢者は、家族及び共同体の介護と保護を享受できるべきである
・高齢者は、いかなる場所に住み、あるいはいかなる状態であろうとも、自己の尊厳、信念、要求、プライバシー及び、自己の介護と生活の質を決定する権利に対する尊重を含む基本的人権や自由を享受することができるべきである

④自己実現

self-fulfillment

・高齢者は、自己の可能性を発展させる機会を追求できるべきである
・高齢者は、社会の教育的・文化的・精神的・娯楽的資源を利用することができるべきである

⑤尊厳

dignity

・高齢者は、尊厳及び保障をもって、肉体的・精神的虐待から解放された生活を送ることができるべきである
・高齢者は、年齢、性別、人種、民族的背景、障害等にかかわらず公平に扱われ、自己の経済的貢献に関わらず 尊重されるべきである

○理想的な老後 ・自立・自由・依存

○幸福な老後(実現しておかなけれはならない三つの姿)

①自立した自由に動ける身体を保つこと
・適度な運動習慣を持つこと
・健康的な食生活を持つこと
②
心穏やかに過ごすための思考習慣を持つこと
・小さな出来事にも感謝
・過去や未来にとらわれすぎずに、執着心をなくし、ストレスを減らす
③
他者とのつながりを持ち続けること
・家族や他者との積極的なコミュニケーションを保つ
・色々なグループに参加し、出来たら、新しいことにチャレンジする
・人から必要とされること

○長生き、長寿の秘訣(65歳〜85歳でこれができていたら長生きにつながる5つの行動)
①
一人で外出して買い物ができる
②
複雑な新聞記事を理解して、話題にできる
③
他人のために時間や手間を使っている
④
計画的にお金を使う(頭を使う)
⑤
体調管理は日記や一言メモから

○
高齢者の健康
1
)老人病
 人が老いると、老化による慢性疾患を有する率が高くなります。それらは「老人病」という名前で一括して呼ばれています。例えば、循環器障害、白内障、老人性難聴、誤嚥性肺炎、変形性関節症、大腿骨を筆頭とする骨折、仮性認知症(うつ病性認知症)などが高齢者に多くみられる疾患です。
2
)代表的な生活習慣病
 ①高血圧症
 ②心疾患(狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症など)
 ③脳卒中/脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
3
)その他の生活習慣病
①
糖尿病 ②腎臓病 ③肝臓病 ④痛風

残念ながら老化による機能の低下は元に戻すことはできません。慢性的な疾患の完治もかなり難しい。機能の低下や疾患の悪化が進み、廃用症候群(生活不活発病)といって心身の機能のすべてが低下してしまう「寝たきり」になってしまうこともまれではありません。従って、どんなに高齢であってもできるだけ機能低下の速度を遅らせ、疾患の悪化を防ぎ、新たな疾病を発症させないこと、何よりも寝たきりにならないことが重要である。


○QOL
とADL
 高齢者がただ単に長生きをするだけでなく、健康で自立した生活を送ることができているかを表す指標として、QOL(Quality Of Life )やADL(Activities of Daily Living)があります。
QOL
は、「生活の質」や「生命の質」と訳され、人間がその人らしく、満足して生活しているかを評価するもので、生き方そのものや人間の尊厳にも関わる概念です。
一方、ADLは、一般的には「日常生活動作」と訳されます。日常生活を営むうえで必要な基本的な行為、動作のことです。

具体的には次の5つがある。①食事・②排泄・③入浴・④移動・⑤整容(身だしなみ、更衣、歯磨き等)
医学・看護のリハビリテーションや介護の分野で広く使われている用語の一つで、その人がどの程度自立して
生活することができるかを評価する指標として使われています。ADLの自立とは、介護を必要としない状態を指しています。
 上記①~⑤の5つの項目を、どれも自ら出来れば自立出来ていることになり、介護される必要は全くないのです。これらの5つの項目を介護される必要がある場合、五大介護という。私は現在、パートでお世話になっている老人ホームで入浴以外の他の4つの介護業務に携わっています。

せめて三大介護と言われている①食事・②排泄・③入浴の三つは最低限何時までも自立しておきたいものです。

介護シリーズ No.03 ~No.07  介護に至る<①認知症、②脳卒中、③転倒/骨折>

 No.03介護に至る三大要素 ①認知症 

介護に至る三大要素として、①認知症、②脳卒中、③転倒/骨折の三つがあります。それぞれ説明します。
1)
『認知症』とは
 
獲得した複数の認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)と精神機能(外観、意識、記憶、
認知、感情、意欲、思考、知覚、自我)が、意識障害(周囲の状況や自分自身のことを正しく認識できなくなる状態のこと)によらないで日常生活や社会生活に支障をきたすほどに持続的に障害された状態(日本神経学会、2017)
2)
認知症に似た状態
イ)年齢相応のもの忘れについて
○
加齢による「物忘れ」
・一部を忘れるが、記憶は繋がっている状態・「何を食べたか」思い出せないがヒントがあると思い出すことが出来る・生活への支障がない
○
認知症による「物忘れ」
・全体を忘れる、記憶が抜け落ちる・「食べたこと自体」を忘れる・ヒントがあっても思い出せない・生活への支障がある・置き忘れ、紛失が頻繁になる
物忘れや思い出せないことが頻繁にあると人は、自分はもしかしたら認知症になったのではと心配しがちですが、安心して下さい、それは「加齢による物忘れ」に過ぎず、自分で自覚する間は大丈夫ですが、他人から「○○さんは最近ちょっとボケてきたのでは・・・」等と言われ出したら要注意です。
ロ)せん妄
せん妄とは、幻覚(現実にはないものをあると認識する間違った知覚)や妄想(現実と合わない不合理で誤った考えで強く確信し決して訂正しないもの)を伴い、意識障害を認める状態をいいます。
ハ)うつ状態
うつ状態にある人は、憂うつな気分に支配され、意欲や興味、喜びといった感情の起伏が乏しく、常に気分が
低下した状態になります。
高齢者の場合には加齢に伴い、長期にわたるからだの不調を持ちやすいことから、うつ状態に陥りやすいと
いえます。

3
)認知症の代表的な種類
イ)アルツハイマー型認知症(68%)
全体の7割を占め、1906年に、ドイツの神経病理学者アロイス・アルツハイマーによって発見されました。
脳の萎縮によりアミロイドベーター蛋白の蓄積が原因。
短期記憶が難しくなり、認知機能が徐々に低下した後、寝たきり状態になり、終末期を迎えます。
ロ)脳血管性認知症(20%)
脳梗塞・脳出血による脳神経細胞の破壊が原因で、からだの麻痺や嚥下障害、言語障害などを伴うことが
多いのが特徴です。
ハ)レビー小体型認知症(4%)
抑うつ、ふるえ(パーキンソン病症状)、幻視や見間違い(誤認)等の症状が目立ちます。初期のころは
物忘れはみられにくいが、転倒事故の危険性が高くなります。
ニ)前頭側頭型認知症〈ピック病〉(1%)
前頭葉、側頭葉の萎縮が原因で、理性・感情をコントロールするのが難しくなり、家族や周囲の人が人格変化に気づくことが特徴的で、常同行動がよくみられます。常同行動とは、周囲から見ると特別な意図や目的がないように感じられる、同じ動作や行動を繰り返し行うことです。体を前後に揺らす、手をひらひらさせる、同じ場所を歩き回るなどが代表的で、不安や緊張を和らげ、心を落ち着かせるために行われます

ホ)その他〈慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症等〉(7%)

4
)認知症の症状
イ)中核症状/記憶障害と認知障害(判断力の低下)。
例えば通常は、昨日、仕事の約束をしたことを覚えているので、約束の場所へ約束の時間までに、仕事の準備をして出かけて行くことが出来るのですが、記憶や認知機能に障害がある人は、過去の約束や未来の予測が適切にできなくなり、不確かな「今」しかなくなり、それは、不安で緊張している状態であるため、疲れやすく、
くり返しものを尋ねる、落ちつかない、不安そうにキョロキョロする様子がみられる。
ロ)行動・心理症状〈BPSD、周辺症状〉/徘徊、攻撃的行為、多動、過食、異食、不潔行動、妄想、幻覚、
不安、抑うつなど。
上記を引き起こす要因として、身体面や心の不調、外部環境(騒がしい音、まぶしい光、点滅する光など)
などがあります。

5
)認知症予防対策
・食習慣、運動習慣、知的な活動の習慣、対人的な交流などの頻度をあげる
・高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、飲酒等に注意を払う
・適度な運動、頭を働かせる
・社会と関わるなど、緊張感とリラックスを織り交ぜたリズムのある生活を心掛けることが大事

6
)認知症予防の10ヵ条〜公益財団法人認知症予防財団〜
①
塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事
②
適度に運動を行い、足腰を丈夫に
③
深酒とタバコを止め、口腔ケアに注力し、規則正しい生活を!
④
生活習慣病(高血圧・肥満など)の予防、早期発見、早期治療を!
⑤
転倒に気を付けよう!頭の打撲は認知症を招く
⑥
興味と好奇心をもつように!
⑦
考えをまとめて表現する習慣を!
⑧
こまやかな気配りをした良い付き合いを!
⑨
何時も若々しくお洒落心を忘れずに!
⑩
くよくよしないで明るい気分で生活を!(楽しんで生きることが一番の認知症予防!)

7
)認知症予防ガイドライン〜WHO(世界保健機関)〜
①
外出の機会を増やす
②
人との関わりをもつ
③
生活習慣病を予防、持病を治療する
④
聴力低下の確認と対策
⑤
栄養バランスの良い食事

8
)認知症予防につながると考えられる食材〜九州大学大学院「福岡県久山町研究」〜
・大豆及び大豆製品・緑黄色野菜・淡色野菜・藻類・牛乳及び乳製品・果物及び果物ジュース・芋類・魚
"
おまけ" ボケ防止に「教育」!?と「教養」!?
・教育➡きょういく➡今日行く➡今日、行くところがある
・教養➡きょうよう➡今日用➡今日、用がある


 

No.04介護に至る三大要素 ②脳卒中

1)『脳卒中』(脳血管疾患・脳血管障害)とは

脳に突然の事故(血管が詰まったり、破れて出血したり)が起こって倒れてしまうこと。

卒という字は「突然に」起こることを意味し、今まで元気に働いていた人が、急に具合が悪くなって倒れる、意識がはっきりしない(意識障害)、ひどい時には声をかけても昏々と深く眠っていて何の反応もない(昏睡)という状態になります。

 さらには、しばしば半身の手足が動かなくなる(運動障害)とか、からだの一部がしびれる(知覚障害)と  いった後遺症を示すものを、脳卒中と呼んています。

このように生命を脅かしたり、自立して生活できないような結果を招く病気を、どうすれば未然に防ぎ、または早期に発見できるかは、大変に重要です。

 

2)脳卒中の種類
イ)脳梗塞

動脈硬化によって脳血管の内腔が狭くなっているところに、血液が凝固したもの(血栓)が徐々にたまり、血行が遮断されることによって起こるものを脳血栓と呼び、また、心臓病患者などの場合は、心臓の内腔にある血栓のかけらが大動脈から脳動脈に流れ込み、脳動脈の枝の細かい血管にそれがひっかかると脳塞栓といわれる状態になります。 脳血栓も脳塞栓も詰まった動脈の先へは血液が行かなくなるため、その周囲の脳細胞が死んてしまいます(脳組織の壊死)。そのような状態を起こすことをまとめて脳梗塞といいます。
 
脳卒中といえば、中年以後に起こることが多いのですが、脳血栓による脳梗塞は高齢者に多くみられます。また、脳動脈に血栓ができかかって一時的に脳血流が低下し、安静にするとよくなるという発作もあります(一過性脳虚血発作/TIA)。但し、この状態をくり返すと脳梗塞になるので、注意が必要です。一過性脳虚血発作をくり返す人には、脳梗塞が近く起こることも考えられます。

ロ)脳出血

動脈硬化でもろくなった脳の細い動脈の一部が破れることで、ふだんから高血圧の人に、精神的緊張や運動など、血圧をさらに高くさせる要因が加わったときに突然起こり、脳の実質(脳の内部にある大脳・小脳・脳幹といった各領域を指し、思考や記憶、運動、感覚などを司る高次の機能を担っている)の中に血腫(血のかたまり)ができるものです。

 脳出血は、血圧の高い患者に多くみられますが、脳出血が起こったときは、脳外科で血腫を取り除く手術が出来れば命が助かることが多く、早ければ早いほどまひが残る可能性を少なくすることができます。

ハ)くも膜下出血

脳動脈のなかの脳底動脈またはその枝に、先手的に小さな動脈瘤のある人がいます。この動脈瘤が何らかのはずみに破裂すると、そこから血液が脳膜の中層にあるくも膜の下に流れ込みたまります。これがくも膜下出血です。くも膜下出血は、重症脳出血とともに予後の悪いものです。この発作では、患者は激しい頭脳を訴えます。出血が大きいと意識も下がり、昏睡を呈することもあり、一刻も早く病院へ搬送する必要があります。

3)「ACT FAST」キャンペーン(FASTテストで脳卒中の早期発見)〜米国脳卒中協会〜
①Face:
フェイス(顔の麻痺):笑って下さい 片方の顔が下がっていませんか? 口角が下がっていませんか?
②Arms:
アーム(腕の麻痺) :両手を挙げて下さい 片方の手が下がってきませんか?
③Speech:
スピーチ(言語の障害): 簡単な文章を言って下さい      ろれつがはっきりと回っていますか? 文章を正しく繰り返せますか?  言葉が理解出来ていますか?
④Time:タイム(時間): 脳卒中は時間との戦いです
これらの症状が出た日時をメモし、直ぐに病院を受診すること


4
)脳卒中の前兆(初期症状)〜つづき脳神経外科・内科〜
○
普段起こらない頭痛  ○段々強くなる頭痛  ○体験したことのない頭痛  ○身体に力が入らない
○顔面の左右どちらかに麻痺が起こる         ○物を持てない           ○意識を失いそうになる
○めまいやふらつき、真っ直ぐに歩けないなど平衡感覚の異常            ○片側の手や足に力が入らない
○身体の半身のしびれや麻痺、片足を引きずっている
○ろれつが回らない、言葉や人の名前が出にくいといった言語障害
○片目が見えない、視野が欠けたり、歪んで見えたり、物が二重に見えたりするといった視覚障害など
以上のような症状が突然に起こるのが脳卒中の特徴です。数分で治ることもありますが、決して侮ってはいけ ません。発生の日時をメモして直ぐに専門の医療機関を受診しましょう!

5)脳卒中を予防するためには
イ)生活習慣の改善と定期的な健康診断が重要です。
ロ)具体的には禁煙、節酒、適度な運動、バランスの取れた食事
ハ)そして高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の治療が大切です
ニ)また、ストレス管理や十分な睡眠も効果的です

6)脳卒中予防十ヵ条2025〜公益財団法人日本脳卒中協会〜
第 1条 手始めに、高血圧から治しましょう
第 2条 糖尿病、放っておいたら悔い残る
第 3条 不整脈、見つかり次第 直ぐ受診
第 4条 予防には、タバコを止める意思を持て
第 5条 飲むならば、なるべく少なくアルコール
第 6条 高すぎる、コレステロールも見逃すな
第 7条 お食事の、塩分・脂肪控えめに
第 8条 体力に、合った運動続けよう
第 9条 万病の、引き金になる太りすぎ
第10条 脳卒中、起きたら直ぐに病院へ

 

★おまけ★
トロミ付きコーヒー➡脳卒中後の患者の多くが嚥下の問題で悩んで折、水分もむせやすいもので、コーヒーそのものは認知症予防にも役立ちますし、美味しく飲みやすいトロミ付きコーヒーはおすすめです                                                〜藤島一郎シニアエキスパートドクター〜

 

No.05 介護に至る三大要素の ③転倒/骨折

高齢になると、筋力低下や運動機能が低下し、日常生活のなかで転びやすくなります。ちょっとした段差や敷物などにつまずき、何もない場所でも転んでしまうことがあります。また、薬の副作用でふらつきが起こり、転びやすくなることもあります。

高齢者の多くは、骨の強度が弱くなっており、転倒から骨折などの大きなケガにつながりやすくもあります。
特に大腿骨頸部(ダイタイコツケイブ/太ももの付け根)骨折は増加傾向にあります。高齢者の転倒による骨折は、『骨卒中』と呼ばれ、寝たきりになり、介護が必要になるきっかけとなり、余命にも悪影響を及ぼすことにもなりかねないので、転倒予防には、十分な配慮が必要です。

 

○介護に至る主な4つの骨折
①
大腿骨頸部(ダイタイコツケイブ/太ももの付け根)骨折

転倒で起こりやすく、重症化しやすく、寝たきりになるリスクが最も高い骨折です。

②脊椎(セキツイ/背骨)骨折

尻もちなどで起こり重症化しやすく、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が進むと、くしゃみでも骨折することがあります。
 ③上腕骨近位部(腕の付け根)骨折

転倒時に肩を打ったり、手や肘をついたりして起こりやすい骨折です。

④橈骨(トウコツ)遠位端(手首)骨折

転んで手をついた際に起こりやすい骨折です。


○
なぜ骨折が介護につながるのか?

①
身体機能の低下
骨折による痛みや治療のため安静が長引くと、筋力が著しく低下し、歩行能力の回復が難しくなることが   あります。
②
長期臥床(がしょう)による全身機能の低下
入院期間が長引いたり、寝たきりの状態が続いたりすると、筋力だけでなく全身の機能が低下し、自立した生活が困難になります。
③
骨粗鬆症の進行
骨粗鬆症があると骨がもろくなり、骨折しやすくなるだけでなく、一度骨折しても治癒(チユ)に時間がかかり、寝たきりにつながるリスクを高めます。
④
せん妄(せんもう)や認知機能の低下
入院による環境の変化や単調な生活がストレスとなり、せん妄と呼ばれる一時的な意識障害や認知機能に低下を招くことがあります。
○
転倒/骨折に必要な対応と対策
①
骨密度や筋力を維持し、転倒予防を心がけることが大切です。
②
骨折後は早期に適切な治療と集中的なリハビリテーションを受けることが、元の状態に近い生活を取り戻す ために重要です。
③
リハビリ後も介護が必要な場合は、自宅での在宅介護や、介護サービス、施設への入居を検討するなど、  家族で介護の体制を準備する必要があります。
○
骨折を予防するには
1
)転びにくい体づくり
 筋力や体力、バランス能力が低下すると自分の体を制御できずに転倒する可能性が高くなります。
そのため、日常的に運動をすることが重要とされています。ここで自宅でできる簡単な運動を紹介します。
①
スクワット 10回を目安に実行

両足を肩幅ほどに広げて、足先は少し外側に向けた状態で膝をゆっくり曲げていきます。
膝や股関節に痛みがある方は無理せずに、痛みのない範囲で膝を曲げます。
10
回を目安に行いましょう。
②
ヒールレイズ 10回を目安に実行

立った状態で椅子の背もたれや机に手を置き、かかとを上げてゆっくりとかかとを下ろします。
この動作をくり返します。。
③
片足立ち 5秒ごと左右交互に実行

立った状態で椅子の背もたれや机に手を置き、片足を上げその状態で5秒程度止まり、足をおろします。
④
散歩
歩くことで筋力や体力をつけることができます。また、屋外を散歩することでビタミンDを生成したり、骨に適度な刺激を加えたりすることで骨が強くなります。

2
)高齢者が転倒しやすい場所とその対策
 東京消防庁が公開しているデータによると、高齢者の転倒事故で、救急搬送人員の56%が「居住等場所」と  なっており屋外での発生件数に比べて顕著に多く、中でも居室・寝室といった生活に慣れている場所での転倒が多いそうです。

屋内では
  ・階段を踏み外す  ・わずかな段差につまずく  ・絨毯のヘリに足がひっかかる

 ・濡れた浴室の洗い場ですべる  ・電気コードに足をひっかける
  ・サンダルで庭を歩いていて、地面のでこぼこにつまずく
  ・暗闇の中でトイレに行こうとしてバランスを崩す

屋外では

 ・階段や段差での転倒・雨の日に建物の出入り口で滑る
  ・自転車に乗っていて転倒するなどが 

このように、普段気にしていない場所が転倒の原因になることがあります。そのため、玄関、階段、トイレや浴室などに手すりを設置する、危ない箇所を意識して生活したり、日頃から 床を整理整頓したり、暗い場所にセンサーライトをつけたりして、積極的に住環境を整備することをおすすめします。

その他、高齢者では服用中の薬が原因でふらついて転倒を招く場合がありますので、主治医に相談して下さい。

3)骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防






骨粗鬆症の予防には、カルシウムの摂取とカルシウムの吸収を助けるビタミンDの摂取が推奨されています。
ビタミンDは日光を浴びることでも体内で生成されるため、意識的に外に出て紫外線を浴びることを意識すると良いでしょう。また、散歩などの運動によって骨に刺激を与えることで、骨が強くなるという研究もあります。
骨粗鬆症になるのは男性よりも女性の方が多く、女性は閉経をきっかけに骨密度が急速に減少するため、転倒 しないよう注意が必要です。
 初期では痛みなどの自覚症状がないため、「身長が縮んだ」、「背中や腰が曲がってきた」、「立ち上がるときなどに背中や腰が痛む」などの症状が現れたら、骨粗鬆症が強く疑われます。

★おまけ★ 
転倒に気を付ける場所 ➡ ぬかずけ(日本転倒予防学会)
・ぬ→ぬれた(濡れた)場所〈手すりや滑り止めマット等の設置〉
・か→かいだん(階段)〈足元灯、滑り止め付き蛍光テープ、
                  特に下りに注意、○○ながらはダメ〉

・ずけ→かた『ずけ』られていない(片付けられていない)所
               〈整理整頓、床や動線上にコードや物を置かない〉


No.06 介護離職 (介護休業制度と介護休暇制度)

 

1) 介護離職とは?

介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めることを指します。例えば、親が要介護状態になり、自宅での介護が必要になった場合、施設に入れるには金銭的な問題もあり、家族が介護するしかないとの判断に至った。
しかし、介護と仕事の両立ができず、止むなく退職することを指します。

2
)介護離職の実態(現状)

日本では高齢化が進み、親などの介護を理由に仕事を辞める介護離職が後を絶たない。総務省が5年に1度行う調査によると、2022 年9月までの1年間に介護離職した人は10万6千人で、前回2017年の調査より7 千人増えている。離職に伴う人手不足などで生じる経済的損失は2030年時点で9兆円を超えると国は試算する。超高齢社会で親の介護に直面する社員は増えていく。

介護家族を支援するNPO法人「となりのかいご」の川内潤代表理事は「社員の介護の悩みは、経営にかかわる問題ととらえ、仕事を続ける方法を一緒に考える姿勢が企業に求められる。国は、社員に早めの相談を促すといった企業の対策を費用面で後押しして欲しい」と話した。

3
)介護離職がもたらす影響

・本人にとって、収入が減少し、生活が困窮するケースもあり、何よりも、再就職が難しい(特に中高年)状態にあり、社会とのつながりが絶たれる。
・企業や社会にとって、経験豊富な中堅幹部の人材の喪失、生産性の低下、年金や社会保障制度への負担増等が挙げられる。


4
)介護離職を防ぐためには?(介護離職を避けるには「仕事と介護の両立」がカギです)

イ)公的制度の活用 

『介護休業制度』は、親や子どもなど介護が必要な家族1人につき通算93日休める。
3
回まで分けて取ることもできる。雇用保険から賃金の約3分の2(67%)が支給される。
『介護休暇制度』は、病院の付き添いなどのため、家族1人の場合は年5日、時間単位でも取得できる。有給かどうかは会社による。 

育児・介護休業法に基づき、勤め先で両立支援制度を使えるが、介護休業(通算93日)の取得者は、親を介護する会社員のうち1.6%、介護休暇(年5日)は4.5%に過ぎない。

『一般社団法人介護離職防止対策促進機構』の和氣美枝代表理事は、「親の介護は子ども自身が担うものと  思って、仕事を辞める道しか見えなくなる人もいる。経営者側も介護の知識や経験が乏しく、支援制度などの 情報が乏しく、支援制度などの情報提供が出来ていない」と、指摘する。ただ、介護のことを上司に「言いにくい」と思う人は多い。業務を引き継ぐ同僚に気兼ねし、制度の利用をためらう人もいる。

厚生労働省は、今年(2025)4月、支援制度を周知し、活用につなげるため、介護が必要になったと申し出た 社員に個別に制度を説明し、利用するかどうか意向を確認するよう企業に義務付けた。又、7月には、企業が両立支援に取組みやすいよう、具体策を示したガイドライン(指針)を策定した。介護をしながら働く人は2022年時点で364万6千人。職場の中核を担う50歳代が最多の42%を占める。

ロ)介護サービスの利用(介護保険を使えば負担軽減!)
・訪問介護〈ヘルパー〉:介護を必要とする者が在宅のまま日常生活ができるように、

        訪問介護員などが自宅を訪ねて、身体介護や生活援助を行うサービス
・デイサービス:介護を必要とする人に施設で生活上の世話をしたり訓練などを
        日帰りで行う福祉サービス
・ショートスティ:介護者が病気や旅行・休養などのために高齢者や障害者を
        介護出来ない時、福祉施設で一時的に預かる事業


ハ)職場と相談する
 上司や人事に早めに、リモート勤務や時短勤務も視野に入れ相談することで、働き方の調整がしやすくなる。
●
後期高齢者となる「団塊の世代」と仕事と介護の両立
戦後のベビーブームで生まれた「団塊の世代」は今年(2025)、全員が75歳以上の後期高齢者となり、今後、介護の需要が急増することが予測される。働く人の介護離職を食い止め、働きながら介護や育児をする人の両立を支援するため改正育児・介護休業法が、2025年4月に改正され、40歳前後の従業員に対して自社介護休業制度を個別周知するなど、雇用保険の整備が企業に義務付けられ、企業が従業員を支援する取組みも広がっている。

●
ある企業の取組み(山口ナンシャルグループFG)
山口銀行や北九州銀行などを傘下に置く山口FG(本社/山口県下関市)は、社員向けの介護支援制度を拡充し、介護休業期間を法定期間(93日)とは別に企業としては初の最長3年まで職場を離れ、家族の介護に対応できるようにしている。又、介護の短期休暇の法定の5日から10日間に延長する。合わせて休業期間の終了後に円滑に仕事に戻れるよう、介護に詳しいケアマネジャーを正社員として採用し、休業中の社員の相談に応えるなどしてサポートする仕組みも整えている。

●
介護と仕事の両立支援のポイント(厚労省のガイドライン)
①
ゴールは社員の就業継続、
②
介護はいつ始まり、いつ終わるか分からない、
③
介護は相談しにくい、
④
両立支援は社員全体の活躍を促進する

●
最後に

親など高齢者が元気なうちから、どんな介護を受けてどのように過ごしたいかを話し合っておきたい。中高年が離職すると、キャリアが中断されて再就職に苦労し、収入が減ってしまう場合が多いので、働きながら介護を続けるために、是非各地にある行政の地域包括支援センターやケアマネジャーなど介護、医療の専門家と連携し、相談することで介護サービスの利用手続きや支援団体などの情報が得られるので、是非両立を心掛けて欲しい!

★おまけ★  『貯金.』よりも『貯筋』を! 〜中村格子スポーツドクター〜
 60代から必要なのは「生活筋肉」、足の筋肉が多くの生活動作を支えています。建つ、歩く、踏ん張るなど多くの役割を果たしており、脚には全身の約6割の筋肉があり、「脚の筋肉」が丈夫だと日常生活が驚くほど快適に過ごせます。 

No.07介護相談窓口及び介護保険

●介護相談窓口について

介護に関する相談窓口(行政・公的機関/民間含む)は、地域や目的によって複数あります。まずは「最寄りの市町村(区役所・福祉課等)」や「地域包括支援センター(高齢者総合相談窓口)」に相談するのが基本です。以下、全国的な制度や福岡市の具体例を交えて主な相談先を整理します。

1. 全国・制度レベルの相談窓口

○地域包括支援センター(都道府県・市町村設置)/ 高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防など。住み慣れた 地域で暮らし続けるための支援を総合的に行う機関

○市町村(区役所/市役所の福祉・介護保険課) /介護保険認定申請、給付・負担割合、福祉サービス、申請 手続きなどの窓口

○認知症介護相談(全国・都道府県支部)/ 認知症に関する相談、家族支援、情報提供など

 

2. 福岡市で使える具体的な相談窓口(福岡市在住の場合)

いきいきセンターふくおか
(地域包括支援センター)

市内に57か所設置。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャー等が対応し、健康・福祉・介護に関する相談を 受け付けます

市の介護・福祉相談(区役所)

各区や市の福祉・介護保険課で、介護保険の申請/給付、苦情・要望などを扱います

介護実習普及センター

福祉用具・介護に関する相談窓口

社会法人福岡市社会福祉協議会

ふくふくプラザ

在宅医療・介護連携相談ダイヤル

(福岡市医師会)

医療・介護関係者向けの連携相談窓口。地区別で相談ダイヤルあり

 

 ぬくもりの窓口(福祉総合相談)

福祉・介護・医療・住まいなど生活課題を包括的に相談できる

市民福祉プラザ(プラザ内相談窓口)

認知症介護相談、福祉用具・介護に関する相談を受け付け

ふくおか福祉サービス協会

訪問介護、介護施設、福祉相談などを扱う

 

3. どの窓口を使うべきか?目的別の目安

目的

窓口

①介護保険を使いたい

市町村の福祉・介護保険課、区役所、または地域包括支援センター

②要介護認定・要支援認

上記 “市町村福祉・介護課” または地域包括支援センター

③健康・生活・介護全体

地域包括支援センター

④認知症介護・認知症に関する相談

認知症疾患医療センター、認知症相談窓口、地域包括支援センター

⑤福祉用具・リハビリ・住宅改修

介護実習普及センター、福祉用具貸与事業者、地域包括支援センター

⑥在宅医療・医療との連携 医師会などの在宅医療連携相談

地域包括支援センター

⑦苦情・不満・問題がある

市町村の苦情・相談窓口、地域包括支援センター、不服申し立て制度

⑧介護事業運営・事業者支援

県・市の介護担当部署、福祉団体、専門支援機関

 

●介護保険について

介護保険とは、40歳以上が加入する公的保険制度で、介護が必要になったときに、必要なサービスを本人の負担を抑えて利用出来る仕組みの保険制度
参考:介護保険法の第1条(目的)より抜粋

「この法律は、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病等により、要介護状態となり、入浴・排泄・食事等の介護、機能訓練並みに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う・・・」

 

●介護保険でカバーできるサービス

①在宅(居宅)サービス/自宅で暮らし続けるために受けられる支援です

イ)介護のサポート 

○訪問介護(ホームヘルプ/食事・排泄・入浴などの身体介護、掃除・洗濯などの生活 援助) 

○訪問入浴介護(専用車での出張入浴サービス) 

○訪問看護(看護師が健康管理や医療処置を実施)
ロ)リハビリ・外出支援 

○訪問リハビリテーション 

○通所介護(デイサービス/入浴やレクリエーション、機能訓練など) 

○通所リハビリ(デイケア)
ハ)その他の自宅支援 

○福祉用具のレンタル(歩行器・車イス・介護ベットなど) 

○福祉用具購入の補助(腰掛便座、入浴補助具など年4回)

○住宅改修費の補助(手すり設置、段差解消、滑りにくい床への変更/ 上限20万円)

②施設サービス(入所して介護を受けるサービス)

イ)特別養護老人ホーム(特養/常時介護が必要な方向けの長期入所施設、要介護3以上)

ロ)介護老人保健施設(老健/自宅復帰を目指すリハビリ中心施設、要介護1以上)

ハ)介護医療院(長期の医療・介護が必要な方向け、要介護1以上)

③地域密着型サービス(地域の中で暮らし続けるための支援)

イ)小規模多機能型居宅介護(通い・泊まり・訪問を柔軟に組み合わせて利用)

ロ)認知症対応型介護(認知症デイサービス)

ハ)グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

④ケアマネジャーによる支援(利用者負担0円)

○居宅介護支援(ケアプラン作成・調整)

●
介護保険サービスでの注意点

○
要介護認定(要支援1〜2、要介護1〜5)を受ける必要があります

○利用者負担は、原則1割(所得に寄り2〜3割)

○サービス内容は認定区分によって利用出来る範囲が決まります

 

★おまけ★ 栄養バランスの良い食事の覚え方「まごわやさしい」〜吉村裕之医学博士〜

(まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも) そして、何よりも認知症のリスクの低減に役立つそうです。


◆石橋大海博士の補足

利用するにあたっての要点を少し追加させていただきます。

介護保険は「困り切ってから使う制度」ではなく、生活と尊厳を守るために早めに使う制度です。

 

① 介護保険は「申請主義」
・自動的には始まりません
・市区町村への申請が必要です。
・原則:

 65歳以上 → 原因を問わず対象
 40~64歳 → 特定疾病(脳卒中、認知症、関節リウマチ等)のみ対象
・申請日が利用開始の基準になるため、早めの申請が重要。


② 要介護認定の流れを理解する
1.市区町村へ申請
2.認定調査(訪問調査)
3.主治医意見書
4.介護認定審査会
5.要支援1–2/要介護1–5が決定

▶ ポイント
・「できる・できない」は普段の状態で答える
・見栄や遠慮は禁物(過小評価されると支援が減る)


③ 介護度=使えるサービス量
・介護度ごとに月額の支給限度額が決まっています
・限度内なら原則1割負担(所得により2~3割)

例:
・要介護1:軽度でも「完全自立」ではない
・要介護3以上:施設入所の検討ライン


④ ケアマネジャーは「要」
・ケアマネ(介護支援専門員)が

 ―ケアプラン作成
 ―サービス調整
 ―介護保険の窓口を担います
相性が非常に重要→ 合わなければ変更可能(無料)


⑤ 医療保険とは役割が違う:治療が目的
▶ 医療と介護の「はざま」で困ることが多い
→ 主治医・ケアマネ・訪問看護の連携が鍵


⑥ 使わないと損、でも使い過ぎない

・「まだ早い」はよくある誤解
→ 軽いうちから使う方が予後が良い

・一方で、

 -何でもサービス任せ
 -本人の能力を奪うことには注意


⑦ 家族の負担軽減も正当な理由
・介護保険は本人だけでなく家族を守る制度
・「家族が疲弊してから」では遅い
・レスパイト(家族の休息)目的の利用は正当


⑧ お金の現実も知っておく
・在宅:月数万円~
・施設:

 -特養:比較的安価(待機多い)
 -老健:中間施設
 -有料老人ホーム:高額になりやすい
・住宅改修・福祉用具は別枠支給あり


⑨ 介護は「変化する」

  • 介護度は固定ではない
  • 状態変化時は
    • 区分変更申請
    • ケアプラン見直し
      をためらわない

⑩ 「相談先」を覚えておく

  • 市区町村介護保険課
  • 地域包括支援センター(最重要)
    • 無料
    • 申請前相談も可
    • 困ったらまずここ

介護保険は「困り切ってから使う制度」ではなく、生活と尊厳を守るために早めに使う制度です