2026年8月20日木曜日

介護シリーズ 著者・目次

田中健二「介護シリーズ」について
大学の先輩がメールで教えてくれた内容を、本人の了解を得て転載しています。
60歳、65歳、70歳と高齢化が進みますが、そのような方に時々見て欲しい内容が詰まっています。 

◆著者 田中健二のプロフィール 

「私が介護職員として勤務することになった最大の理由は、サラリーマン時代に、後輩の40歳〜50歳代の中堅幹部何人かが、親の介護の為に会社を辞めざるを得なくなったことを目の当たりにしたからです。会社は勿論、本人にとっても非常にマイナスなことであり、何とかならないものかと強く感じ、何かヒントを探るべく介護の現場を体験して見ようとしたのがきっかけです。」

1942年生れ 鹿児島市出身 九州大学経済学部卒 
1964年大手商社入社
200260歳退職。その後、80歳迄の20年間は九州のステンレス業界の事務局長を務める
202280歳から生涯現役を目指して次のステップを模索
202410月介護職員初任者研修課程終了(昔のホームヘルパー2級に+認知症対応)半年掛けて取得

    82歳介護職員としてスタート
2026年 住宅型有料老人ホームで③入浴以外の介助を担当
              5大介護(①食事、②トイレ、③入浴、④移動、⑤整容〈更衣、歯磨き等〉)

目次→

介護シリーズ 著者・目次

 

No.

タイトル

発行日

 

介護シリーズNo.01 ―02 加齢・老化・自立と日常

 

01

No.01

加齢と老化、日常生活の変化、フレイル予防

20250801

03

No.02

高齢者の自立とQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)

20250901

 

介護シリーズNo.03 ~No.07 介護に至る①認知症、②脳卒中、③転倒/骨折

 

05

No.03

介護に至る三大要素 認知症

20251001

07

No.04

介護に至る三大要素 ②脳卒中

20251101

09

No.05

介護に至る三大要素 ③転倒/骨折

20251201

11

No.06

介護離職 (介護休業制度と介護休暇制度)

20260101

13

No.07

介護相談窓口及び介護保険     

20260201

 

介護シリーズNo.08~No.12 老人ホーム

 

17

No.08

老人ホーム(高齢者向け施設)全般  

20260301

19

No.09

老人ホーム 介護付き及び 住宅型有料老人ホーム

20250401

21

No.10

老人ホーム サービス付高齢者向け住宅&シニア向け分譲マンション

20260501

23

No.11

老人ホーム 介護保険施設

               ⑤特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院

20260601

26

No.12

老人ホーム 他施設やサービス<グループホーム、ケアハウス>

20260701

 

介護シリーズNo.13 ~16 まとめ

 

28

No.13

親が認知症になる前に子どもがやるべきこと 

20260801

 

No.14

人生最後に後悔しないために、75歳過ぎてからやるべきこと

20260901

 

No.15

自宅介護の限界〜施設入居のタイミング〜

20261001

 

No.16

老人ホームの失敗しない選び方

20261101

介護シリーズ No.01 ―02 加齢・老化・自立と日常

No. 01加齢と老化、日常生活の変化、フレイル予防  校正中2026.08.20

加齢と老化

皆さんにも経験があるお有りと思いますが、身体の違和感があって、診察のため病院に行き、医師から勧められ、高価なCTMRIの検査をし、大分待たされた挙句、医者の一言「原因は"加齢"です」と・・・人間のからだは、身体的・心理的・社会的変化を伴って年齢を重ねて成長し、老いを経てやがて衰退して死を迎えます。「加齢」とは、⽣まれてから時間の経過とともに年齢を重ねていく過程のことをいいます。

この⽣まれてから死ぬまでの物理的な時間の経過のことを「加齢」といいます。
一方、生理的な機能は成長の過程で最大限に機能を発揮する時期(人間では2030歳頃)にピークを迎え、徐々に低下していきます。これを「老化」と言い、加齢に伴って各臓器の機能やそれらを統合する機能が低下することで、外見上も、体重の減少、姿勢の変化、皮膚のしわなどとなって現れます。「老化」の原因には、遺伝的要因と、環境的要因があり、人間社会では、環境要因からの影響が大きく、個人差が大きい。

加齢に伴う様々な機能低下の老化を「生理的老化」ともいいます。早い遅いはあっても誰にでも起こり、「老化」は病気ではありません。一方、認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症(こつそしょうしょう/⾻が萎縮して、もろくなり、⾻折しやすくなる状態)などは、加齢が重要な危険因⼦となる「加齢関連疾患」です。これらは単なる⽣理的な⽼化とは区別して考える必要があります。⾼齢者に起こる認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症(こつそしょうしょう/⾻が萎縮して、もろくなり、⾻折しやすくなる状態)などは「病的⽼化」の結果といえます。実際、認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症などの危険因⼦には「加齢」が挙げられます

加齢の過程では、人間でも動物でも死亡率が指数関数的に増加します。人間では、30歳以降、だいたい8年ごとに死亡確率が約2倍ずつ増えていきます。80歳では40歳の30倍も死亡しやすいということになります。ただし、90歳以上の超高齢者では一定期間の死亡リスク死亡確率の増加がゆるやかになることが知られています。

老化による日常生活への影響

・ペットボトルのふたが開けられない
・重い物が持てない
・立ったり座ったりするたびに「いたっ」と声をあげる
・正座ができない
・階段の昇り降りがつらい
・取扱説明書などの細かい文字が読めない
・テレビの音量を大きくしている
・シワや白髪が増え、身長が縮んだり、背中が丸くなったり、歩くのが遅くなるなど
目に見える変化ばかりではありません。

身体的には、

⼼肺機能は徐々に低下し、運動時に息切れを感じやすくなります。また、⾎管の硬化などにより⾎圧が上昇

しやすくなります。⼼臓や肺の機能が衰え、息苦しさを感じ、⾎圧も上がります
・タンが絡みやすくなり、嚥下(えんげ/飲み下すこと)機能の低下で誤嚥(ごえん/飲食物等が食道ではなく気道に入ること老人ホームの食事の介助で最大の注意点)が増え、肺炎にかかりやすくなる〈誤嚥性肺炎〉

免疫機能も加齢に伴って変化し、感染症に対する抵抗⼒が低下するため、感染症にかかりやすくなります。

免疫⼒の低下や基礎体⼒の低下により⾵邪等の感染症にかかりやすくなる

⻭の喪失や咀嚼機能の低下により、⾷べられる⾷品が限られたり、栄養バランスが崩れたりします。

消化機能では⻭の不具合で噛まないまま飲み込んで消化不良を起こす

・胃や腸の蠕動(ぜんどう:主に消化管に⾒られる、筋⾁の収縮が波のように伝わることで内容物を移動させること)運動が低下して便秘しやすくなる

男性では、加齢に伴って前⽴腺肥⼤症が増え、頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿症状がみられることがあ

ります。男性では、前⽴腺が肥⼤してトイレの回数が増え、いわゆる切れが悪く残尿感が残る

・目は老眼が進み細かい文字が苦手になり、白内障などではっきり見えなくなる

・耳も老人性難聴となり、いわゆる耳が「遠く」なる

・眠りも浅くなり、夜中や朝早く目覚める

・筋力の低下により、転びやすくなり骨折が起こりやすくなる

⾼齢者では知覚でも暑さ寒さを鋭敏に感じ取れないところに、⽔分摂取量不⾜に加え⼝渇感が弱くなるこ

と、発汗など体温調節機能が低下することにより、熱中症にかかる危険性が⾼くなる・・・等々

このように⽼化はその⼈の⽣活に様々な影響を及ぼします。


要介護状態とならないためにフレイル予防

 我が国は超高齢社会に突入し、平均寿命2024年の平均寿命は男性81.09 歳、⼥性87.13 /81 歳、⼥/87歳、平均/84 歳男/81歳、女/87歳、平均/84)も年々伸び続けています。しかし、平均寿命が延びることで高齢化も進み、それに伴って病気や怪我をするリスクが高まり、健康寿命2022 年の健康寿命は男性72.57 歳、⼥性75.45 /73 歳、⼥/75歳、平均/74 歳男/73歳、女/75歳、平均/74)が短くなるという現象が起きます。
 世界一の長寿国である日本においての課題は、健康寿命をいかに伸ばし、平均寿命(平均84歳)から健康寿命(平均74歳)を差し引いた約10年間(84−74歳=10歳)の不健康な状態(入院や要介護状態等)でいる期間をいかに減らすかということが挙げられます。

 

 フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱しました。

多くの高齢者は健康な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに⼼理・認知、社会

的側⾯も含み生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、徐々に要介護状態に陥ります。そのため、要介護状態となる前に適切な介入がなされれば、フレイル状態を早期発見し、対応することで、要介護に至るのを防ぎ、健康寿命を延ばすことができます。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏は、フレイル予防のポイントは「身体活動」「栄養」「社会参加」の三位一体と提言しています。
 加齢に伴い進むフレイルには、筋力低下など身体的な虚弱だけではなく、社会性の虚弱や心の虚弱も大きく影響し、サルコペニアという筋肉の衰えを予防するには栄養管理が重要となります。フレイル予防に注力し、健康寿命を延ばし、介護の必要のない高齢者の自由な自立を目指したいものですね!


 

No. 02「高齢者の自立とQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)」

○1991年に国連で制定された「高齢者のための国連五原則」の概要

 表1の「国連5原則」で、高齢者になっても人間としての尊厳をもって、自分らしい人生を全うできるように
との願いが込められていることは理解できると思います。

表1 高齢者のための国連五原則 概要

項目

説明

自立

independence

・高齢者は、収入や家族・共同体の支援及び自助努力を通じて十分な食料、水、住居、衣服、医療へのアクセス を得るべきである
・高齢者は、仕事、あるいは他の収入手段を得る機会を有するべきである

・高齢者は、可能な限り長く自宅に住むことができるべきである

参加

participation

・高齢者は、社会の一員として、自己に直接影響を及ぼすような政策の決定に積極的に参加し、若年世代と自己 の経験と知識を分かち合うべきである
・高齢者は、自己の趣味と能力に合致したボランティアとして共同体へ奉仕する機会を求めることができるべき である

ケア

care

・高齢者は、家族及び共同体の介護と保護を享受できるべきである
・高齢者は、いかなる場所に住み、あるいはいかなる状態であろうとも、自己の尊厳、信念、要求、プライバシー及び、自己の介護と生活の質を決定する権利に対する尊重を含む基本的人権や自由を享受することができるべきである

自己実現

self-fulfillment

・高齢者は、自己の可能性を発展させる機会を追求できるべきである
・高齢者は、社会の教育的・文化的・精神的・娯楽的資源を利用することができるべきである

尊厳

dignity

・高齢者は、尊厳及び保障をもって、肉体的・精神的虐待から解放された生活を送ることができるべきである
・高齢者は、年齢、性別、人種、民族的背景、障害等にかかわらず公平に扱われ、自己の経済的貢献に関わらず 尊重されるべきである

理想的な老後 ・自立・自由・依存

幸福な老後(実現しておかなけれはならない三つの姿)

自立した自由に動ける身体を保つこと
・適度な運動習慣を持つこと
・健康的な食生活を持つこと
心穏やかに過ごすための思考習慣を持つこと
・小さな出来事にも感謝
・過去や未来にとらわれすぎずに、執着心をなくし、ストレスを減らす
他者とのつながりを持ち続けること
・家族や他者との積極的なコミュニケーションを保つ
・色々なグループに参加し、出来たら、新しいことにチャレンジする
・人から必要とされること

長生き、長寿の秘訣(65歳〜85歳でこれができていたら長生きにつながる5つの行動)
一人で外出して買い物ができる
複雑な新聞記事を理解して、話題にできる
他人のために時間や手間を使っている
計画的にお金を使う(頭を使う)
体調管理は日記や一言メモから

高齢者の健康
1
)老人病
 人が老いると、老化による慢性疾患を有する率が高くなります。それらは「老人病」という名前で一括して呼ばれています。例えば、循環器障害、白内障、老人性難聴、誤嚥性肺炎、変形性関節症、大腿骨を筆頭とする骨折、仮性認知症(うつ病性認知症)などが高齢者に多くみられる疾患です。
2
)代表的な生活習慣病
 高血圧症
 心疾患(狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症など)
 脳卒中/脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
3
)その他の生活習慣病
糖尿病 腎臓病 肝臓病 痛風

残念ながら老化による機能の低下は元に戻すことはできません。慢性的な疾患の完治もかなり難しい。機能の低下や疾患の悪化が進み、廃用症候群(生活不活発病)といって心身の機能のすべてが低下してしまう「寝たきり」になってしまうこともまれではありません。従って、どんなに高齢であってもできるだけ機能低下の速度を遅らせ、疾患の悪化を防ぎ、新たな疾病を発症させないこと、何よりも寝たきりにならないことが重要である。


○QOL
ADL
 高齢者がただ単に長生きをするだけでなく、健康で自立した生活を送ることができているかを表す指標として、QOLQuality Of Life )やADLActivities of Daily Living)があります。
QOL
は、「生活の質」や「生命の質」と訳され、人間がその人らしく、満足して生活しているかを評価するもので、生き方そのものや人間の尊厳にも関わる概念です。
一方、ADLは、一般的には「日常生活動作」と訳されます。日常生活を営むうえで必要な基本的な行為、動作のことです。

具体的には次の5つがある。食事・排泄・入浴・移動・整容(身だしなみ、更衣、歯磨き等)
医学・看護のリハビリテーションや介護の分野で広く使われている用語の一つで、その人がどの程度自立して
生活することができるかを評価する指標として使われています。ADLの自立とは、介護を必要としない状態を指しています。
 上記①~⑤の5つの項目を、どれも自ら出来れば自立出来ていることになり、介護される必要は全くないのです。これらの5つの項目を介護される必要がある場合、五大介護という。私は現在、パートでお世話になっている老人ホームで入浴以外の他の4つの介護業務に携わっています。

せめて三大介護と言われている①食事・②排泄・③入浴の三つは最低限何時までも自立しておきたいものです。

介護シリーズ No.03 ~No.07  介護に至る<①認知症、②脳卒中、③転倒/骨折>

 No.03介護に至る三大要素 認知症 

介護に至る三大要素として、認知症、脳卒中、転倒/骨折の三つがあります。それぞれ説明します。
1)
『認知症』とは
 
獲得した複数の認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)と精神機能(外観、意識、記憶、
認知、感情、意欲、思考、知覚、自我)が、意識障害(周囲の状況や自分自身のことを正しく認識できなくなる状態のこと)によらないで日常生活や社会生活に支障をきたすほどに持続的に障害された状態(日本神経学会、2017
2)
認知症に似た状態
イ)年齢相応のもの忘れについて
加齢による「物忘れ」
・一部を忘れるが、記憶は繋がっている状態・「何を食べたか」思い出せないがヒントがあると思い出すことが出来る・生活への支障がない
認知症による「物忘れ」
・全体を忘れる、記憶が抜け落ちる・「食べたこと自体」を忘れる・ヒントがあっても思い出せない・生活への支障がある・置き忘れ、紛失が頻繁になる
物忘れや思い出せないことが頻繁にあると人は、自分はもしかしたら認知症になったのではと心配しがちですが、安心して下さい、それは「加齢による物忘れ」に過ぎず、自分で自覚する間は大丈夫ですが、他人から「○○さんは最近ちょっとボケてきたのでは・・・」等と言われ出したら要注意です。
ロ)せん妄
せん妄とは、幻覚(現実にはないものをあると認識する間違った知覚)や妄想(現実と合わない不合理で誤った考えで強く確信し決して訂正しないもの)を伴い、意識障害を認める状態をいいます。
ハ)うつ状態
うつ状態にある人は、憂うつな気分に支配され、意欲や興味、喜びといった感情の起伏が乏しく、常に気分が
低下した状態になります。
高齢者の場合には加齢に伴い、長期にわたるからだの不調を持ちやすいことから、うつ状態に陥りやすいと
いえます。

3
)認知症の代表的な種類
イ)アルツハイマー型認知症(68%
全体の7割を占め、1906年に、ドイツの神経病理学者アロイス・アルツハイマーによって発見されました。
脳の萎縮によりアミロイドベーター蛋白の蓄積が原因。
短期記憶が難しくなり、認知機能が徐々に低下した後、寝たきり状態になり、終末期を迎えます。
ロ)脳血管性認知症(20%
脳梗塞・脳出血による脳神経細胞の破壊が原因で、からだの麻痺や嚥下障害、言語障害などを伴うことが
多いのが特徴です。
ハ)レビー小体型認知症(4%
抑うつ、ふるえ(パーキンソン病症状)、幻視や見間違い(誤認)等の症状が目立ちます。初期のころは
物忘れはみられにくいが、転倒事故の危険性が高くなります。
ニ)前頭側頭型認知症〈ピック病〉(1%
前頭葉、側頭葉の萎縮が原因で、理性・感情をコントロールするのが難しくなり、家族や周囲の人が人格変化に気づくことが特徴的で、常同行動がよくみられます。常同行動とは、周囲から見ると特別な意図や目的がないように感じられる、同じ動作や行動を繰り返し行うことです。体を前後に揺らす、手をひらひらさせる、同じ場所を歩き回るなどが代表的で、不安や緊張を和らげ、心を落ち着かせるために行われます

ホ)その他〈慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症等〉(7%

4
)認知症の症状
イ)中核症状/記憶障害と認知障害(判断力の低下)。
例えば通常は、昨日、仕事の約束をしたことを覚えているので、約束の場所へ約束の時間までに、仕事の準備をして出かけて行くことが出来るのですが、記憶や認知機能に障害がある人は、過去の約束や未来の予測が適切にできなくなり、不確かな「今」しかなくなり、それは、不安で緊張している状態であるため、疲れやすく、
くり返しものを尋ねる、落ちつかない、不安そうにキョロキョロする様子がみられる。
ロ)行動・心理症状〈BPSD、周辺症状〉/徘徊、攻撃的行為、多動、過食、異食、不潔行動、妄想、幻覚、
不安、抑うつなど。
上記を引き起こす要因として、身体面や心の不調、外部環境(騒がしい音、まぶしい光、点滅する光など)
などがあります。

5
)認知症予防対策
・食習慣、運動習慣、知的な活動の習慣、対人的な交流などの頻度をあげる
・高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、飲酒等に注意を払う
・適度な運動、頭を働かせる
・社会と関わるなど、緊張感とリラックスを織り交ぜたリズムのある生活を心掛けることが大事

6
)認知症予防の10ヵ条〜公益財団法人認知症予防財団〜
塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事
適度に運動を行い、足腰を丈夫に
深酒とタバコを止め、口腔ケアに注力し、規則正しい生活を!
生活習慣病(高血圧・肥満など)の予防、早期発見、早期治療を!
転倒に気を付けよう!頭の打撲は認知症を招く
興味と好奇心をもつように!
考えをまとめて表現する習慣を!
こまやかな気配りをした良い付き合いを!
何時も若々しくお洒落心を忘れずに!
くよくよしないで明るい気分で生活を!(楽しんで生きることが一番の認知症予防!)

7
)認知症予防ガイドライン〜WHO(世界保健機関)〜
外出の機会を増やす
人との関わりをもつ
生活習慣病を予防、持病を治療する
聴力低下の確認と対策
栄養バランスの良い食事

8
)認知症予防につながると考えられる食材〜九州大学大学院「福岡県久山町研究」〜
・大豆及び大豆製品・緑黄色野菜・淡色野菜・藻類・牛乳及び乳製品・果物及び果物ジュース・芋類・魚
"
おまけ" ボケ防止に「教育」!?と「教養」!?
・教育きょういく今日行く今日、行くところがある
・教養きょうよう今日用今日、用がある


 

No.04介護に至る三大要素 ②脳卒中

1)『脳卒中』(脳血管疾患・脳血管障害)とは

脳に突然の事故(血管が詰まったり、破れて出血したり)が起こって倒れてしまうこと。

卒という字は「突然に」起こることを意味し、今まで元気に働いていた人が、急に具合が悪くなって倒れる、意識がはっきりしない(意識障害)、ひどい時には声をかけても昏々と深く眠っていて何の反応もない(昏睡)という状態になります。

 さらには、しばしば半身の手足が動かなくなる(運動障害)とか、からだの一部がしびれる(知覚障害)と  いった後遺症を示すものを、脳卒中と呼んています。

このように生命を脅かしたり、自立して生活できないような結果を招く病気を、どうすれば未然に防ぎ、または早期に発見できるかは、大変に重要です。

 

2)脳卒中の種類
イ)脳梗塞

動脈硬化によって脳血管の内腔が狭くなっているところに、血液が凝固したもの(血栓)が徐々にたまり、血行が遮断されることによって起こるものを脳血栓と呼び、また、心臓病患者などの場合は、心臓の内腔にある血栓のかけらが大動脈から脳動脈に流れ込み、脳動脈の枝の細かい血管にそれがひっかかると脳塞栓といわれる状態になります。 脳血栓も脳塞栓も詰まった動脈の先へは血液が行かなくなるため、その周囲の脳細胞が死んてしまいます(脳組織の壊死)。そのような状態を起こすことをまとめて脳梗塞といいます。
 
脳卒中といえば、中年以後に起こることが多いのですが、脳血栓による脳梗塞は高齢者に多くみられます。また、脳動脈に血栓ができかかって一時的に脳血流が低下し、安静にするとよくなるという発作もあります(一過性脳虚血発作/TIA)。但し、この状態をくり返すと脳梗塞になるので、注意が必要です。一過性脳虚血発作をくり返す人には、脳梗塞が近く起こることも考えられます。

 

ロ)脳出血

動脈硬化でもろくなった脳の細い動脈の一部が破れることで、ふだんから高血圧の人に、精神的緊張や運動など、血圧をさらに高くさせる要因が加わったときに突然起こり、脳の実質(脳の内部にある大脳・小脳・脳幹といった各領域を指し、思考や記憶、運動、感覚などを司る高次の機能を担っている)の中に血腫(血のかたまり)ができるものです。

 脳出血は、血圧の高い患者に多くみられますが、脳出血が起こったときは、脳外科で血腫を取り除く手術が出来れば命が助かることが多く、早ければ早いほどまひが残る可能性を少なくすることができます。

ハ)くも膜下出血

脳動脈のなかの脳底動脈またはその枝に、先手的に小さな動脈瘤のある人がいます。この動脈瘤が何らかのはずみに破裂すると、そこから血液が脳膜の中層にあるくも膜の下に流れ込みたまります。これがくも膜下出血です。くも膜下出血は、重症脳出血とともに予後の悪いものです。
 
この発作では、患者は激しい頭脳を訴えます。出血が大きいと意識も下がり、昏睡を呈することもあり、一刻も早く病院へ搬送する必要があります。


 

3)「ACT FAST」キャンペーン(FASTテストで脳卒中の早期発見)〜米国脳卒中協会〜
①Face:
フェイス(顔の麻痺):笑って下さい 片方の顔が下がっていませんか? 口角が下がっていませんか?
②Arms:
アーム(腕の麻痺) :両手を挙げて下さい 片方の手が下がってきませんか?
③Speech:
スピーチ(言語の障害): 簡単な文章を言って下さい      ろれつがはっきりと回っていますか?

文章を正しく繰り返せますか?  言葉が理解出来ていますか?
④Time:
タイム(時間): 脳卒中は時間との戦いです
これらの症状が出た日時をメモし、直ぐに病院を受診すること

4
)脳卒中の前兆(初期症状)〜つづき脳神経外科・内科〜
普段起こらない頭痛  段々強くなる頭痛  体験したことのない頭痛  身体に力が入らない

顔面の左右どちらかに麻痺が起こる         物を持てない           意識を失いそうになる

めまいやふらつき、真っ直ぐに歩けないなど平衡感覚の異常            片側の手や足に力が入らない

身体の半身のしびれや麻痺、片足を引きずっている

ろれつが回らない、言葉や人の名前が出にくいといった言語障害

片目が見えない、視野が欠けたり、歪んで見えたり、物が二重に見えたりするといった視覚障害など
 
以上のような症状が突然に起こるのが脳卒中の特徴です。数分で治ることもありますが、決して侮ってはいけ ません。発生の日時をメモして直ぐに専門の医療機関を受診しましょう!

 

5)脳卒中を予防するためには
イ)生活習慣の改善と定期的な健康診断が重要です。
ロ)具体的には禁煙、節酒、適度な運動、バランスの取れた食事
ハ)そして高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の治療が大切です
ニ)また、ストレス管理や十分な睡眠も効果的です

 

6)脳卒中予防十ヵ条2025〜公益財団法人日本脳卒中協会〜
1条 手始めに、高血圧から治しましょう
2条 糖尿病、放っておいたら悔い残る
3条 不整脈、見つかり次第 直ぐ受診
4条 予防には、タバコを止める意思を持て
5条 飲むならば、なるべく少なくアルコール
6条 高すぎる、コレステロールも見逃すな
7条 お食事の、塩分・脂肪控えめに
8条 体力に、合った運動続けよう
9条 万病の、引き金になる太りすぎ
10条 脳卒中、起きたら直ぐに病院へ

 

 



トロミ付きコーヒー脳卒中後の患者の多くが嚥下の問題で悩んで折、水分もむせやすいもので、コーヒーそのものは認知症予防にも役立ちますし、美味しく飲みやすいトロミ付きコーヒーはおすすめです
                                                           
〜藤島一郎シニアエキスパートドクター〜


 

No.05 介護に至る三大要素の ③転倒/骨折

高齢になると、筋力低下や運動機能が低下し、日常生活のなかで転びやすくなります。ちょっとした段差や敷物などにつまずき、何もない場所でも転んでしまうことがあります。また、薬の副作用でふらつきが起こり、転びやすくなることもあります。

高齢者の多くは、骨の強度が弱くなっており、転倒から骨折などの大きなケガにつながりやすくもあります。
特に大腿骨頸部(ダイタイコツケイブ/太ももの付け根)骨折は増加傾向にあります。高齢者の転倒による骨折は、『骨卒中』と呼ばれ、寝たきりになり、介護が必要になるきっかけとなり、余命にも悪影響を及ぼすことにもなりかねないので、転倒予防には、十分な配慮が必要です。

 

介護に至る主な4つの骨折
大腿骨頸部(ダイタイコツケイブ/太ももの付け根)骨折

転倒で起こりやすく、重症化しやすく、寝たきりになるリスクが最も高い骨折です。

脊椎(セキツイ/背骨)骨折

尻もちなどで起こり重症化しやすく、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が進むと、くしゃみでも骨折することがあります。
 上腕骨近位部(腕の付け根)骨折

転倒時に肩を打ったり、手や肘をついたりして起こりやすい骨折です。

橈骨(トウコツ)遠位端(手首)骨折

転んで手をついた際に起こりやすい骨折です。


なぜ骨折が介護につながるのか?

身体機能の低下
骨折による痛みや治療のため安静が長引くと、筋力が著しく低下し、歩行能力の回復が難しくなることが   あります。
長期臥床(がしょう)による全身機能の低下
入院期間が長引いたり、寝たきりの状態が続いたりすると、筋力だけでなく全身の機能が低下し、自立した生活が困難になります。
骨粗鬆症の進行
骨粗鬆症があると骨がもろくなり、骨折しやすくなるだけでなく、一度骨折しても治癒(チユ)に時間がかかり、寝たきりにつながるリスクを高めます。
せん妄(せんもう)や認知機能の低下
入院による環境の変化や単調な生活がストレスとなり、せん妄と呼ばれる一時的な意識障害や認知機能に低下を招くことがあります。
転倒/骨折に必要な対応と対策
骨密度や筋力を維持し、転倒予防を心がけることが大切です。
骨折後は早期に適切な治療と集中的なリハビリテーションを受けることが、元の状態に近い生活を取り戻す ために重要です。
リハビリ後も介護が必要な場合は、自宅での在宅介護や、介護サービス、施設への入居を検討するなど、  家族で介護の体制を準備する必要があります。
骨折を予防するには
1
)転びにくい体づくり
 筋力や体力、バランス能力が低下すると自分の体を制御できずに転倒する可能性が高くなります。
そのため、日常的に運動をすることが重要とされています。ここで自宅でできる簡単な運動を紹介します。
スクワット 10回を目安に実行

両足を肩幅ほどに広げて、足先は少し外側に向けた状態で膝をゆっくり曲げていきます。
膝や股関節に痛みがある方は無理せずに、痛みのない範囲で膝を曲げます。
10
回を目安に行いましょう。
ヒールレイズ 10回を目安に実行

立った状態で椅子の背もたれや机に手を置き、かかとを上げてゆっくりとかかとを下ろします。
この動作をくり返します。。
片足立ち 5秒ごと左右交互に実行

立った状態で椅子の背もたれや机に手を置き、片足を上げその状態で5秒程度止まり、足をおろします。
散歩
歩くことで筋力や体力をつけることができます。また、屋外を散歩することでビタミンDを生成したり、骨に適度な刺激を加えたりすることで骨が強くなります。

2
)高齢者が転倒しやすい場所とその対策
 東京消防庁が公開しているデータによると、高齢者の転倒事故で、救急搬送人員の56%が「居住等場所」と  なっており屋外での発生件数に比べて顕著に多く、中でも居室・寝室といった生活に慣れている場所での転倒が多いそうです。

屋内では
  ・階段を踏み外す  ・わずかな段差につまずく  ・絨毯のヘリに足がひっかかる 

・濡れた浴室の洗い場ですべる  ・電気コードに足をひっかける

・サンダルで庭を歩いていて、地面のでこぼこにつまずく

・暗闇の中でトイレに行こうとしてバランスを崩す

屋外では

・階段や段差での転倒・雨の日に建物の出入り口で滑る

・自転車に乗っていて転倒するなどが 

このように、普段気にしていない場所が転倒の原因になることがあります。そのため、玄関、階段、トイレや浴室などに手すりを設置する、危ない箇所を意識して生活したり、日頃から 床を整理整頓したり、暗い場所にセンサーライトをつけたりして、積極的に住環境を整備することをおすすめします。

その他、高齢者では服用中の薬が原因でふらついて転倒を招く場合がありますので、主治医に相談して下さい。

3)骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防

骨粗鬆症の予防には、カルシウムの摂取とカルシウムの吸収を助けるビタミンDの摂取が推奨されています。
ビタミンDは日光を浴びることでも体内で生成されるため、意識的に外に出て紫外線を浴びることを意識すると良いでしょう。また、散歩などの運動によって骨に刺激を与えることで、骨が強くなるという研究もあります。
骨粗鬆症になるのは男性よりも女性の方が多く、女性は閉経をきっかけに骨密度が急速に減少するため、転倒 しないよう注意が必要です。
 初期では痛みなどの自覚症状がないため、「身長が縮んだ」、「背中や腰が曲がってきた」、「立ち上がるときなどに背中や腰が痛む」などの症状が現れたら、骨粗鬆症が強く疑われます。


転倒に気を付ける場所  ぬかずけ(日本転倒予防学会)
・ぬぬれた(濡れた)場所〈手すりや滑り止めマット等の設置〉
・かかいだん(階段)〈足元灯、滑り止め付き蛍光テープ、特に下りに注意、○○ながらはダメ〉
・ずけかた『ずけ』られていない(片付けられていない)所〈整理整頓、床や動線上にコードや物を置かない〉

No.06 介護離職 (介護休業制度と介護休暇制度)

 

1) 介護離職とは?

介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めることを指します。例えば、親が要介護状態になり、自宅での介護が必要になった場合、施設に入れるには金銭的な問題もあり、家族が介護するしかないとの判断に至った。
しかし、介護と仕事の両立ができず、止むなく退職することを指します。

2
)介護離職の実態(現状)

日本では高齢化が進み、親などの介護を理由に仕事を辞める介護離職が後を絶たない。総務省が5年に1度行う調査によると、2022 9月までの1年間に介護離職した人は106千人で、前回2017年の調査より7 千人増えている。離職に伴う人手不足などで生じる経済的損失は2030年時点で9兆円を超えると国は試算する。超高齢社会で親の介護に直面する社員は増えていく。

介護家族を支援するNPO法人「となりのかいご」の川内潤代表理事は「社員の介護の悩みは、経営にかかわる問題ととらえ、仕事を続ける方法を一緒に考える姿勢が企業に求められる。国は、社員に早めの相談を促すといった企業の対策を費用面で後押しして欲しい」と話した。

3
)介護離職がもたらす影響

・本人にとって、収入が減少し、生活が困窮するケースもあり、何よりも、再就職が難しい(特に中高年)状態にあり、社会とのつながりが絶たれる。
・企業や社会にとって、経験豊富な中堅幹部の人材の喪失、生産性の低下、年金や社会保障制度への負担増等が挙げられる。
4
)介護離職を防ぐためには?(介護離職を避けるには「仕事と介護の両立」がカギです)

イ)公的制度の活用 

『介護休業制度』は、親や子どもなど介護が必要な家族1人につき通算93日休める。
3
回まで分けて取ることもできる。雇用保険から賃金の約3分の267%)が支給される。
『介護休暇制度』は、病院の付き添いなどのため、家族1人の場合は年5日、時間単位でも取得できる。
有給かどうかは会社による。
 

育児・介護休業法に基づき、勤め先で両立支援制度を使えるが、介護休業(通算93日)の取得者は、親を介護する会社員のうち1.6%、介護休暇(年5日)は4.5%に過ぎない。

『一般社団法人介護離職防止対策促進機構』の和氣美枝代表理事は、「親の介護は子ども自身が担うものと  思って、仕事を辞める道しか見えなくなる人もいる。経営者側も介護の知識や経験が乏しく、支援制度などの 情報が乏しく、支援制度などの情報提供が出来ていない」と、指摘する。ただ、介護のことを上司に「言いにくい」と思う人は多い。業務を引き継ぐ同僚に気兼ねし、制度の利用をためらう人もいる。

厚生労働省は、今年(20254月、支援制度を周知し、活用につなげるため、介護が必要になったと申し出た 社員に個別に制度を説明し、利用するかどうか意向を確認するよう企業に義務付けた。又、7月には、企業が両立支援に取組みやすいよう、具体策を示したガイドライン(指針)を策定した。介護をしながら働く人は2022年時点で3646千人。職場の中核を担う50歳代が最多の42%を占める。

ロ)介護サービスの利用(介護保険を使えば負担軽減!
・訪問介護〈ヘルパー〉:介護を必要とする者が在宅のまま日常生活ができるように、

訪問介護員などが自宅を訪ねて、身体介護や生活援助を行うサービス

・デイサービス:介護を必要とする人に施設で生活上の世話をしたり訓練などを日帰りで行う福祉サービス

・ショートスティ:介護者が病気や旅行・休養などのために高齢者や障害者を介護出来ない時、

福祉施設で一時的に預かる事業

ハ)職場と相談する
 上司や人事に早めに、リモート勤務や時短勤務も視野に入れ相談することで、働き方の調整がしやすくなる。
後期高齢者となる「団塊の世代」と仕事と介護の両立
戦後のベビーブームで生まれた「団塊の世代」は今年(2025)、全員が75歳以上の後期高齢者となり、今後、介護の需要が急増することが予測される。働く人の介護離職を食い止め、働きながら介護や育児をする人の両立を支援するため改正育児・介護休業法が、20254月に改正され、40歳前後の従業員に対して自社介護休業制度を個別周知するなど、雇用保険の整備が企業に義務付けられ、企業が従業員を支援する取組みも広がっている。

ある企業の取組み(山口ナンシャルグループFG
山口銀行や北九州銀行などを傘下に置く山口FG(本社/山口県下関市)は、社員向けの介護支援制度を拡充し、介護休業期間を法定期間(93日)とは別に企業としては初の最長3年まで職場を離れ、家族の介護に対応できるようにしている。又、介護の短期休暇の法定の5日から10日間に延長する。合わせて休業期間の終了後に円滑に仕事に戻れるよう、介護に詳しいケアマネジャーを正社員として採用し、休業中の社員の相談に応えるなどしてサポートする仕組みも整えている。

介護と仕事の両立支援のポイント(厚労省のガイドライン)
ゴールは社員の就業継続、
介護はいつ始まり、いつ終わるか分からない、
介護は相談しにくい、
両立支援は社員全体の活躍を促進する

最後に

親など高齢者が元気なうちから、どんな介護を受けてどのように過ごしたいかを話し合っておきたい。中高年が離職すると、キャリアが中断されて再就職に苦労し、収入が減ってしまう場合が多いので、働きながら介護を続けるために、是非各地にある行政の地域包括支援センターやケアマネジャーなど介護、医療の専門家と連携し、相談することで介護サービスの利用手続きや支援団体などの情報が得られるので、是非両立を心掛けて欲しい!


 

『貯金.』よりも『貯筋』を! 〜中村格子スポーツドクター〜

 60代から必要なのは「生活筋肉」、足の筋肉が多くの生活動作を支えています。建つ、歩く、踏ん張るなど多くの役割を果たしており、脚には全身の約6割の筋肉があり、「脚の筋肉」が丈夫だと日常生活が驚くほど快適に過ごせます。 

 


 

No.07介護相談窓口及び介護保険

介護相談窓口について

介護に関する相談窓口(行政・公的機関/民間含む)は、地域や目的によって複数あります。まずは「最寄りの市町村(区役所・福祉課等)」や「地域包括支援センター(高齢者総合相談窓口)」に相談するのが基本です。以下、全国的な制度や福岡市の具体例を交えて主な相談先を整理します。

1. 全国・制度レベルの相談窓口

地域包括支援センター(都道府県・市町村設置)/ 高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防など。住み慣れた 地域で暮らし続けるための支援を総合的に行う機関

市町村(区役所/市役所の福祉・介護保険課) /介護保険認定申請、給付・負担割合、福祉サービス、申請 手続きなどの窓口

認知症介護相談(全国・都道府県支部)/ 認知症に関する相談、家族支援、情報提供など

 

2. 福岡市で使える具体的な相談窓口(福岡市在住の場合)

いきいきセンターふくおか
(地域包括支援センター)

市内に57か所設置。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャー等が対応し、健康・福祉・介護に関する相談を 受け付けます

市の介護・福祉相談(区役所)

各区や市の福祉・介護保険課で、介護保険の申請/給付、苦情・要望などを扱います

介護実習普及センター

福祉用具・介護に関する相談窓口

社会法人福岡市社会福祉協議会

ふくふくプラザ

在宅医療・介護連携相談ダイヤル

(福岡市医師会)

医療・介護関係者向けの連携相談窓口。地区別で相談ダイヤルあり

 

 ぬくもりの窓口(福祉総合相談)

福祉・介護・医療・住まいなど生活課題を包括的に相談できる

市民福祉プラザ(プラザ内相談窓口)

認知症介護相談、福祉用具・介護に関する相談を受け付け

ふくおか福祉サービス協会

訪問介護、介護施設、福祉相談などを扱う

 

3. どの窓口を使うべきか?目的別の目安

目的

窓口

介護保険を使いたい

市町村の福祉・介護保険課、区役所、または地域包括支援センター

要介護認定・要支援認

上記市町村福祉・介護課または地域包括支援センター

③健康・生活・介護全体

地域包括支援センター

認知症介護・認知症に関する相談

認知症疾患医療センター、認知症相談窓口、地域包括支援センター

福祉用具・リハビリ・住宅改修

介護実習普及センター、福祉用具貸与事業者、地域包括支援センター

⑥在宅医療・医療との連携 医師会などの在宅医療連携相談

地域包括支援センター

苦情・不満・問題がある

市町村の苦情・相談窓口、地域包括支援センター、不服申し立て制度

介護事業運営・事業者支援

県・市の介護担当部署、福祉団体、専門支援機関

 

介護保険について

介護保険とは、40歳以上が加入する公的保険制度で、介護が必要になったときに、必要なサービスを本人の負担を抑えて利用出来る仕組みの保険制度
参考:介護保険法の第1条(目的)より抜粋

「この法律は、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病等により、要介護状態となり、入浴・排泄・食事等の介護、機能訓練並みに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う・・・」

 

介護保険でカバーできるサービス

在宅(居宅)サービス/自宅で暮らし続けるために受けられる支援です

イ)介護のサポート 

訪問介護(ホームヘルプ/食事・排泄・入浴などの身体介護、掃除・洗濯などの生活 援助) 

訪問入浴介護(専用車での出張入浴サービス) 

訪問看護(看護師が健康管理や医療処置を実施)
ロ)リハビリ・外出支援 

訪問リハビリテーション 

通所介護(デイサービス/入浴やレクリエーション、機能訓練など) 

通所リハビリ(デイケア)
ハ)その他の自宅支援 

福祉用具のレンタル(歩行器・車イス・介護ベットなど) 

福祉用具購入の補助(腰掛便座、入浴補助具など年4回)

住宅改修費の補助(手すり設置、段差解消、滑りにくい床への変更/ 上限20万円)

施設サービス(入所して介護を受けるサービス)

イ)特別養護老人ホーム(特養/常時介護が必要な方向けの長期入所施設、要介護3以上)

ロ)介護老人保健施設(老健/自宅復帰を目指すリハビリ中心施設、要介護1以上)

ハ)介護医療院(長期の医療・介護が必要な方向け、要介護1以上)

地域密着型サービス(地域の中で暮らし続けるための支援)

イ)小規模多機能型居宅介護(通い・泊まり・訪問を柔軟に組み合わせて利用)

ロ)認知症対応型介護(認知症デイサービス)

ハ)グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

ケアマネジャーによる支援(利用者負担0円)

居宅介護支援(ケアプラン作成・調整)

介護保険サービスでの注意点

要介護認定(要支援12、要介護15)を受ける必要があります

利用者負担は、原則1割(所得に寄り23割)

サービス内容は認定区分によって利用出来る範囲が決まります

 

 


栄養バランスの良い食事の覚え方「まごわやさしい」〜吉村裕之医学博士〜
(まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも) そして、何よりも認知症のリスクの低減に   役立つそうです。 

 


 


 


◆石橋大海博士の補足

利用するにあたっての要点を少し追加させていただきます。

介護保険は「困り切ってから使う制度」ではなく、生活と尊厳を守るために早めに使う制度です。

 

介護保険は「申請主義」

・自動的には始まりません
・市区町村への申請が必要です。

・原則:

65歳以上 → 原因を問わず対象

4064 → 特定疾病(脳卒中、認知症、関節リウマチ等)のみ対象

・申請日が利用開始の基準になるため、早めの申請が重要。


要介護認定の流れを理解する

1.市区町村へ申請

2.認定調査(訪問調査)

3.主治医意見書

4.介護認定審査会

5.要支援1–2/要介護1–5が決定

▶ ポイント

・「できる・できない」は普段の状態で答える

・見栄や遠慮は禁物(過小評価されると支援が減る)


介護度=使えるサービス量

・介護度ごとに月額の支給限度額が決まっています

・限度内なら原則1割負担(所得により23割)

例:

・要介護1:軽度でも「完全自立」ではない

・要介護3以上:施設入所の検討ライン


ケアマネジャーは「要」

・ケアマネ(介護支援専門員)が

―ケアプラン作成

―サービス調整

―介護保険の窓口を担います

相性が非常に重要合わなければ変更可能(無料)


 

 

 

医療保険とは役割が違う:治療が目的

▶ 医療と介護の「はざま」で困ることが多い
主治医・ケアマネ・訪問看護の連携が鍵


使わないと損、でも使い過ぎない

・「まだ早い」はよくある誤解
→ 
軽いうちから使う方が予後が良い

・一方で、

-何でもサービス任せ

-本人の能力を奪うことには注意


家族の負担軽減も正当な理由

・介護保険は本人だけでなく家族を守る制度

・「家族が疲弊してから」では遅い

・レスパイト(家族の休息)目的の利用は正当


お金の現実も知っておく

・在宅:月数万円~

・施設:

-特養:比較的安価(待機多い)

-老健:中間施設

-有料老人ホーム:高額になりやすい

・住宅改修・福祉用具は別枠支給あり


介護は「変化する」

  • 介護度は固定ではない
  • 状態変化時は
    • 区分変更申請
    • ケアプラン見直し
      をためらわない

「相談先」を覚えておく

  • 市区町村介護保険課
  • 地域包括支援センター(最重要)
    • 無料
    • 申請前相談も可
    • 困ったらまずここ

 

 

 


介護保険は「困り切ってから使う制度」ではなく、生活と尊厳を守るために早めに使う制度です