2026年8月20日木曜日

介護シリーズ No.01 ―02 加齢・老化・自立と日常

No. 01加齢と老化、日常生活の変化、フレイル予防  校正中2026.08.20

加齢と老化

皆さんにも経験があるお有りと思いますが、身体の違和感があって、診察のため病院に行き、医師から勧められ、高価なCTMRIの検査をし、大分待たされた挙句、医者の一言「原因は"加齢"です」と・・・人間のからだは、身体的・心理的・社会的変化を伴って年齢を重ねて成長し、老いを経てやがて衰退して死を迎えます。「加齢」とは、⽣まれてから時間の経過とともに年齢を重ねていく過程のことをいいます。

この⽣まれてから死ぬまでの物理的な時間の経過のことを「加齢」といいます。
一方、生理的な機能は成長の過程で最大限に機能を発揮する時期(人間では2030歳頃)にピークを迎え、徐々に低下していきます。これを「老化」と言い、加齢に伴って各臓器の機能やそれらを統合する機能が低下することで、外見上も、体重の減少、姿勢の変化、皮膚のしわなどとなって現れます。「老化」の原因には、遺伝的要因と、環境的要因があり、人間社会では、環境要因からの影響が大きく、個人差が大きい。

加齢に伴う様々な機能低下の老化を「生理的老化」ともいいます。早い遅いはあっても誰にでも起こり、「老化」は病気ではありません。一方、認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症(こつそしょうしょう/⾻が萎縮して、もろくなり、⾻折しやすくなる状態)などは、加齢が重要な危険因⼦となる「加齢関連疾患」です。これらは単なる⽣理的な⽼化とは区別して考える必要があります。⾼齢者に起こる認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症(こつそしょうしょう/⾻が萎縮して、もろくなり、⾻折しやすくなる状態)などは「病的⽼化」の結果といえます。実際、認知症、動脈硬化症、⾻粗鬆症などの危険因⼦には「加齢」が挙げられます

加齢の過程では、人間でも動物でも死亡率が指数関数的に増加します。人間では、30歳以降、だいたい8年ごとに死亡確率が約2倍ずつ増えていきます。80歳では40歳の30倍も死亡しやすいということになります。ただし、90歳以上の超高齢者では一定期間の死亡リスク死亡確率の増加がゆるやかになることが知られています。

老化による日常生活への影響

・ペットボトルのふたが開けられない
・重い物が持てない
・立ったり座ったりするたびに「いたっ」と声をあげる
・正座ができない
・階段の昇り降りがつらい
・取扱説明書などの細かい文字が読めない
・テレビの音量を大きくしている
・シワや白髪が増え、身長が縮んだり、背中が丸くなったり、歩くのが遅くなるなど
目に見える変化ばかりではありません。

身体的には、

⼼肺機能は徐々に低下し、運動時に息切れを感じやすくなります。また、⾎管の硬化などにより⾎圧が上昇

しやすくなります。⼼臓や肺の機能が衰え、息苦しさを感じ、⾎圧も上がります
・タンが絡みやすくなり、嚥下(えんげ/飲み下すこと)機能の低下で誤嚥(ごえん/飲食物等が食道ではなく気道に入ること老人ホームの食事の介助で最大の注意点)が増え、肺炎にかかりやすくなる〈誤嚥性肺炎〉

免疫機能も加齢に伴って変化し、感染症に対する抵抗⼒が低下するため、感染症にかかりやすくなります。

免疫⼒の低下や基礎体⼒の低下により⾵邪等の感染症にかかりやすくなる

⻭の喪失や咀嚼機能の低下により、⾷べられる⾷品が限られたり、栄養バランスが崩れたりします。

消化機能では⻭の不具合で噛まないまま飲み込んで消化不良を起こす

・胃や腸の蠕動(ぜんどう:主に消化管に⾒られる、筋⾁の収縮が波のように伝わることで内容物を移動させること)運動が低下して便秘しやすくなる

男性では、加齢に伴って前⽴腺肥⼤症が増え、頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿症状がみられることがあ

ります。男性では、前⽴腺が肥⼤してトイレの回数が増え、いわゆる切れが悪く残尿感が残る

・目は老眼が進み細かい文字が苦手になり、白内障などではっきり見えなくなる

・耳も老人性難聴となり、いわゆる耳が「遠く」なる

・眠りも浅くなり、夜中や朝早く目覚める

・筋力の低下により、転びやすくなり骨折が起こりやすくなる

⾼齢者では知覚でも暑さ寒さを鋭敏に感じ取れないところに、⽔分摂取量不⾜に加え⼝渇感が弱くなるこ

と、発汗など体温調節機能が低下することにより、熱中症にかかる危険性が⾼くなる・・・等々

このように⽼化はその⼈の⽣活に様々な影響を及ぼします。


要介護状態とならないためにフレイル予防

 我が国は超高齢社会に突入し、平均寿命2024年の平均寿命は男性81.09 歳、⼥性87.13 /81 歳、⼥/87歳、平均/84 歳男/81歳、女/87歳、平均/84)も年々伸び続けています。しかし、平均寿命が延びることで高齢化も進み、それに伴って病気や怪我をするリスクが高まり、健康寿命2022 年の健康寿命は男性72.57 歳、⼥性75.45 /73 歳、⼥/75歳、平均/74 歳男/73歳、女/75歳、平均/74)が短くなるという現象が起きます。
 世界一の長寿国である日本においての課題は、健康寿命をいかに伸ばし、平均寿命(平均84歳)から健康寿命(平均74歳)を差し引いた約10年間(84−74歳=10歳)の不健康な状態(入院や要介護状態等)でいる期間をいかに減らすかということが挙げられます。

 

 フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱しました。

多くの高齢者は健康な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに⼼理・認知、社会

的側⾯も含み生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、徐々に要介護状態に陥ります。そのため、要介護状態となる前に適切な介入がなされれば、フレイル状態を早期発見し、対応することで、要介護に至るのを防ぎ、健康寿命を延ばすことができます。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏は、フレイル予防のポイントは「身体活動」「栄養」「社会参加」の三位一体と提言しています。
 加齢に伴い進むフレイルには、筋力低下など身体的な虚弱だけではなく、社会性の虚弱や心の虚弱も大きく影響し、サルコペニアという筋肉の衰えを予防するには栄養管理が重要となります。フレイル予防に注力し、健康寿命を延ばし、介護の必要のない高齢者の自由な自立を目指したいものですね!


 

No. 02「高齢者の自立とQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)」

○1991年に国連で制定された「高齢者のための国連五原則」の概要

 表1の「国連5原則」で、高齢者になっても人間としての尊厳をもって、自分らしい人生を全うできるように
との願いが込められていることは理解できると思います。

表1 高齢者のための国連五原則 概要

項目

説明

自立

independence

・高齢者は、収入や家族・共同体の支援及び自助努力を通じて十分な食料、水、住居、衣服、医療へのアクセス を得るべきである
・高齢者は、仕事、あるいは他の収入手段を得る機会を有するべきである

・高齢者は、可能な限り長く自宅に住むことができるべきである

参加

participation

・高齢者は、社会の一員として、自己に直接影響を及ぼすような政策の決定に積極的に参加し、若年世代と自己 の経験と知識を分かち合うべきである
・高齢者は、自己の趣味と能力に合致したボランティアとして共同体へ奉仕する機会を求めることができるべき である

ケア

care

・高齢者は、家族及び共同体の介護と保護を享受できるべきである
・高齢者は、いかなる場所に住み、あるいはいかなる状態であろうとも、自己の尊厳、信念、要求、プライバシー及び、自己の介護と生活の質を決定する権利に対する尊重を含む基本的人権や自由を享受することができるべきである

自己実現

self-fulfillment

・高齢者は、自己の可能性を発展させる機会を追求できるべきである
・高齢者は、社会の教育的・文化的・精神的・娯楽的資源を利用することができるべきである

尊厳

dignity

・高齢者は、尊厳及び保障をもって、肉体的・精神的虐待から解放された生活を送ることができるべきである
・高齢者は、年齢、性別、人種、民族的背景、障害等にかかわらず公平に扱われ、自己の経済的貢献に関わらず 尊重されるべきである

理想的な老後 ・自立・自由・依存

幸福な老後(実現しておかなけれはならない三つの姿)

自立した自由に動ける身体を保つこと
・適度な運動習慣を持つこと
・健康的な食生活を持つこと
心穏やかに過ごすための思考習慣を持つこと
・小さな出来事にも感謝
・過去や未来にとらわれすぎずに、執着心をなくし、ストレスを減らす
他者とのつながりを持ち続けること
・家族や他者との積極的なコミュニケーションを保つ
・色々なグループに参加し、出来たら、新しいことにチャレンジする
・人から必要とされること

長生き、長寿の秘訣(65歳〜85歳でこれができていたら長生きにつながる5つの行動)
一人で外出して買い物ができる
複雑な新聞記事を理解して、話題にできる
他人のために時間や手間を使っている
計画的にお金を使う(頭を使う)
体調管理は日記や一言メモから

高齢者の健康
1
)老人病
 人が老いると、老化による慢性疾患を有する率が高くなります。それらは「老人病」という名前で一括して呼ばれています。例えば、循環器障害、白内障、老人性難聴、誤嚥性肺炎、変形性関節症、大腿骨を筆頭とする骨折、仮性認知症(うつ病性認知症)などが高齢者に多くみられる疾患です。
2
)代表的な生活習慣病
 高血圧症
 心疾患(狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症など)
 脳卒中/脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
3
)その他の生活習慣病
糖尿病 腎臓病 肝臓病 痛風

残念ながら老化による機能の低下は元に戻すことはできません。慢性的な疾患の完治もかなり難しい。機能の低下や疾患の悪化が進み、廃用症候群(生活不活発病)といって心身の機能のすべてが低下してしまう「寝たきり」になってしまうこともまれではありません。従って、どんなに高齢であってもできるだけ機能低下の速度を遅らせ、疾患の悪化を防ぎ、新たな疾病を発症させないこと、何よりも寝たきりにならないことが重要である。


○QOL
ADL
 高齢者がただ単に長生きをするだけでなく、健康で自立した生活を送ることができているかを表す指標として、QOLQuality Of Life )やADLActivities of Daily Living)があります。
QOL
は、「生活の質」や「生命の質」と訳され、人間がその人らしく、満足して生活しているかを評価するもので、生き方そのものや人間の尊厳にも関わる概念です。
一方、ADLは、一般的には「日常生活動作」と訳されます。日常生活を営むうえで必要な基本的な行為、動作のことです。

具体的には次の5つがある。食事・排泄・入浴・移動・整容(身だしなみ、更衣、歯磨き等)
医学・看護のリハビリテーションや介護の分野で広く使われている用語の一つで、その人がどの程度自立して
生活することができるかを評価する指標として使われています。ADLの自立とは、介護を必要としない状態を指しています。
 上記①~⑤の5つの項目を、どれも自ら出来れば自立出来ていることになり、介護される必要は全くないのです。これらの5つの項目を介護される必要がある場合、五大介護という。私は現在、パートでお世話になっている老人ホームで入浴以外の他の4つの介護業務に携わっています。

せめて三大介護と言われている①食事・②排泄・③入浴の三つは最低限何時までも自立しておきたいものです。

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